36話 お口には ページ37
お湯を注ぐといい香りが鼻の奥をくすぐった。
カップの持ち手に指を通しこれを少女の元へ運ぶべくAは部屋へ戻った。
部屋の中に入ると、少女は言いつけをしっかり守っているようで、円の中でおとなしく座っていた。
悲しそうな顔で首からぶら下げたロケットを握りしめながら。
「はい、温かいうちに飲みなさい」
Aはお茶を手渡してから少女の横に腰を下ろした。
少女はフーフーと水面に息を吹きかけ、熱を冷ましてから一口お茶を飲んだ。
ふう…と飲んだ後に吐いた息は、疲れと安堵を混ぜたようだった。
「お口にあったみたいね」
「あ、はい…美味しいです…」
少女はカップをゆっくり回しながらもじもじ答えた。
「そう、それはよかったわ」と答えたあと、
Aは口元に軽く笑みを浮かべながら少女の小さな肩に腕を回した。
「だって…
あなたみたいなお・嬢・様…には、こんな安物のお茶が口に合うかわからないでしょ？」
「えっ…」
少女はその問いに驚き、すぐ横で肩を組んでいるAの顔を確認した。
「あはは…何をそんなに驚いているのかしら？
ん…？」
Aは驚いてフリーズしている少女の顔をまじまじと見るように自分の顔をぐっと近づけて見返した。
「うっ！」少女はAから距離を取ろうと身をのけぞったが肩を組まれているせいで動けなかった。
「ねえ…何をそんなに怯えてるの？私、まだ何もしてないわよ？」
腕を回した先にある小さな肩をゆっくりさすりながらAはさらに距離を詰めた。
「うっ…うう…。」
恐怖のあまりか少女は声にならない声を上げながらガタガタ震え始めた。
すると、次の瞬間どこからともなくナイフを取り出しAの腹部めがけてナイフを突き出した。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです＾＾ (2019年7月26日 23時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あ - とても好きです (2019年7月25日 20時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - フェイタン天使さん» こんにちは＾＾コメントありがとうございます＾＾とっても丁寧なコメント嬉しいです。そろそろ頑張って再開するのでよろしくお願いします＾＾ (2017年10月18日 20時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - 始め方(プロローグ)がとても好みでどういう展開が来るのかワクワクしました。妹の病気の話も気になるし、主人公の最期はどんな感じなのかもすごくワクワクします。更新待ってます (2017年10月18日 20時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月31日 17時
