【歌い手】王様ゲーム……ではなく王様ドッジなり (ページ29)

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王様ドッジ28 ページ29

『＿＿は……っ』

"どこなまりなのよ"と、言おうとするが、声が出ない

『なんなの、それ……っ』

志麻「意味分かってくれた？…って何泣いてんの～可愛ええ顔が台無しや」

『うっ……ひっ…く…うるさっ……い』

嗚咽を漏らしながら泣く私

なんでこんな泣いてんだろ……

志麻の腕の中にいながら泣く

こんなんで泣いてんの私、バカみたいにダッサい…

ぎゅっと、志麻の服を握る

ぐちゃぐちゃだろうな顔……

志麻「ほら、もう泣くなって」

そう言って、頭をポンポンする

『バカっ……優しく、するな…っ』

志麻「素直やないなぁ……じゃ、そろそろ行くわ。もう泣くなよ～」

『……っ、う…ぇ』

私から離れて体育館の外に出ようとする

濡れた制服の袖で、ぐちゃぐちゃになったであろう顔を拭く

泣いたせいで顔にへばりついた髪の毛をとる

『はは……バカみたい……』

たまたまポケットに入っていたハンカチで顔を拭く

『ふぅ……なんであんな泣いたんだろ……てかあれ、何弁だろ』

明らかにこの辺の方言ではない

ていうか暑い……

『帰ったらアイスでも食べるか……』

坂田「Aちゃん！！」

『……ん？……げっ』

坂田「ちょ、なんでそんな顔すんの？！って、目腫れてるけど大丈夫なん！？まーしぃになんかされた？！」

『えっ、違う違う！私が勝手に泣いただけだよ大丈夫。だから部活行っていい？』

坂田「いやまってめっちゃいい雰囲気やのに最後いらないよね？！？」

『えぇ……。で、でも大丈夫だから！』

なんかすごくグダグダしてる感じがして私はとりあえず坂田悠を黙らせる

坂田「で、Aちゃん！！」

『なんでしょう』

坂田「その……す、好きです！」

なんで今は緊張してんのこの人…←

『は、はあ……充分わかってるけど……』

坂田「んん……伝わらないかぁ……」

『ん？今の私の話聞こえた？』

坂田「A！」

『は、はい？！……いややっぱお前聞こえてねぇな？』

坂田「好き！」

『は、はあ』

坂田「好き！大好き！めっちゃ好き！」

なんかめっちゃ愛が飛んでくるんだが……

その、ハートが私の体にグサグサ刺さってるみたいなイメージ

『わ、わかったから落ち着け！』

坂田「A！！」

『今度はなに？！』

坂田「愛してんで」

『……』

なにこの2連続方言？！？！？？

頭どうにかなりそうだわ！！

次は関西弁かよ？！

あぁもう……

坂田「彼女なってー」

『いや展開早すぎんだろ』