堀川くんの怒り ニ ページ46
姫国side
堀川「いてて」
姫国「あ、起きた？ごめんね、荒っぽいことして」
堀川「いいよ。助かった」
姫国「一体何があったのさ。堀川くんを怒らせるなんて、命知らずな刀だよ、あの人」
堀川「あはは•••。実はね」
堀川side
聚楽第にて
監査官「見事だ。判定は優」
安定「いいってこと？」
清光「そうだから黙ってろって」
監査官「よって、俺もこの本丸の一員となる」
清光「え？」
布を取る監査官
監査官「俺こそが長義が打った本歌、山姥切」
堀川「山姥切って•••」
チラリと兄弟を見る
山姥切「•••」
いつもより、布を深くかぶってうつむいている
清光「と、とりあえず帰城しよっか」
玄関先にて
山伏「大丈夫であるか？兄弟」
和泉守「おいおい顔色悪ぃぞ。薬研呼ぶか？」
安定「山姥切、無理してない？大丈夫？」
山姥切「あぁ。気にしないでくれ」
堀川「でも」
長義「やぁ。偽物くん」
その声にビクッとする兄弟
山姥切「写しは偽物とは違う」
どうにか口を開いて言った言葉
苦し紛れに紡がれた言葉は、相手に何一つ響いていない
堀川「ちょっと！そんな言い方」
長義「俺が本歌だ。写しが山姥切として認識されているなど、あっていいわけがない」
安定「だって、この本丸には先に山姥切がいたわけだし」
長義「きみはまだ偽物くんを山姥切と呼ぶのか？」
その言葉に、僕の中の何かが切れた
堀川「いい加減にしてください」
和泉守「おい国広」
堀川「兼さんは黙ってて」
安定「ヤバいよこれ•••」
主さんの部屋がある方向へ駆けてく安定くん
長義「何をいい加減にするのかな？」
堀川「兄弟を、山姥切国広を偽物と呼ぶことです」
長義「はっ。偽物と呼ばず、あいつを何と呼ぶ」
堀川「もう一度言ってください」
長義「何を？」
堀川「だから、もう一度言ってください。今、兄弟をなんて呼んだのか」
長義「偽物くんと言ったんだよ」
和泉守「おい国広。落ち着けって」
堀川「落ち着けないよ兼さん。だってこいつ、兄弟のこと」
山姥切「兄弟、いいんだ」
兄弟の目には、いつもの強い輝きがない
弱々しく、暗い
堀川「良くない」
主「おい堀川、落ち着けって」
主さんへと視線を向ける
何故か一歩後ずさる主さん
主さんを僕の視線から隠すよう、春が一歩前に出る
春告鳥「堀川くん。一旦落ち着こう。主さん、驚いちゃってるから」
それでもダメと判断したらしい
春告鳥「はぁー。ごめん、堀川くん」
その途端、視界が暗転した
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年10月23日 16時
