怒った春は怖い ページ25
姫国side
安定「春。大丈夫？」
姫国「はい！でも、流石にちょっと疲れました」
堀川「お疲れ様。りんごむいてきたけど、食べる？」
姫国「食べる！」
安定「にしても、平安刀は何してたのさ」
姫国「僕が戦ってる様子を見てるだけでしたね」
安定「ひどい！」
姫国「まぁ、平安の皆さんは、昨日も出陣してたわけですし」
でもやっぱり僕一振りだけ戦わせるのはどうかと思う
長曽袮「だが、いい気分転換になったんじゃないか？」
姫国「とてつもなくイライラしましたけどね」
安定「え。春を怒らせたの？」
和泉守「もしものときは、俺たちが間に入らないとな」
姫国「いや。僕ももう大人ですから、流石に昔みたいに誰彼構わず刀向けたりしませんよ」
堀川「まぁ、あの時は相手も相手だったしね」
安定「でも、あの春を見たから、僕たちの間では『春を怒らせてはならない』って暗黙の了解ができたよね」
姫国「え。そんなのあったんですか？確かに、あれから安定さんと清光さんの喧嘩が減ったなーとは思ってましたけど」
和泉守「めちゃくちゃ怖かったぜ、あの時の春」
姫国「僕の言いつけを守らなかった皆さんが悪いんですからね」
みんなが言っている、あの時、とは、僕たちがまだ、新撰組にいた時のことだ。
昔の姫国side
姫国「いいですか。皆さんはまだ、存在が不安定ですから、皆さんの主さんが帯刀して屯所を出る以外は、屯所から出ちゃダメですからね。悪いものに魅入られてしましますから」
ちなみにこれは体験談だ
実際、父様の鍛刀所にもたくさんの妖がやってきては己の力を強めようとしていた
安定「なんで？」
姫国「皆さんが強いからですよ」
清光「じゃあいいんじゃん」
姫国「まだ成長しきれてないからです。そういった状態の時が一番危ないんですから」
清光「ふーん」
和泉守「俺は国広がいるからへっちゃらだぜ！」
そういう問題じゃないんだけどな
姫国「とにかく、屯所から出て、もしものことがあってからじゃ遅いんですからね」
と、言っておいたのに、いなくなった
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年10月23日 16時
