ep4 ページ6
「1週間以内に必ず払いに来ます」
身内で騒ぐ3人を放置して、携帯の番号をひかえて渡す。店員さんもそろそろ騒動を終わらせたいのか快く受け入れてくれた。
ということで一刻も早く職場に行こうか!
だが、ドアから出ようとした私はガシリと腕を掴まれる。
「逃すわけには行かないネ」
「それは私を食い逃げに仕立て上げないと追加注文した分の代金が払えないからでしょ」
テーブルの上のレシートは2枚。新しい方の印字時刻は今からほんの10分前だった。
私の騒動を目敏く見つけて追加注文し、慌てて平らげたんだろう。
「いやぁでも、その携帯番号が偽物かもしれないじゃん!?」
焦ってるのか言いがかりばっか吹っかけてくる必死さに溜息が出る。あーだこーだ言う銀時の面倒臭さたるや。
「ここで騒いでも店に迷惑なので」
「そう言って逃げるつもりなんだろそうなんだろ!?」
あ"ー……イライラする。
「とにかく続きは店の外で——」
「職場にご報告だよご報告!!」
「だーかーら、外に出て話を」
「大体、入ってきた時から怪しかったし——」
「いいから表出ろって!しつこいなッ!!」
「あぁ出てやるよ!!Aは知らねぇだろうがとっくに廃刀令出てる街中でその刀振り回してみやがれ!それこそ警察までしょっ引いてやる!」
「はぁ!?銀時相手に刀抜くまでもな——」
とそこまで言って何かが引っかかった。
……?
銀時いま私のこと呼んだよな?名前で呼んだよな??
ふつふつと怒りを沸かせながら銀時を見上げれば、薄笑いを貼り付けた意地の悪い視線と交差する。
「……んなら——」
「あ?」
「気付いてたんなら早く言えよコノヤロォォオオ!!」
固めた拳は銀時のいけ好かない顔にクリーンヒット。
「てことは私だとわかってて嵌めたってことだ。あー待って余計に腹立つすんごいムカつく。取り敢えず斬るね?」
「待って、一旦落ち着こ?感動の再会だよね俺ら!?」
「黙れそして死ねぇぇえええ!」
乱闘を起こす私と銀時を見て、慌てて間に入る眼鏡君。
「ぁ、あの!……こんな時にすごく言いにくいんですが」
「なに?」
素っ気なく尋ねた私に凄く申し訳なさそうに眉を下げ、そして爆弾発言。
「僕、本当の食い逃げ犯だと思って警察に連絡しちゃったんですけど……」
「「は?」」
私と銀時の間抜けな声がハモった次の瞬間、背後のドアがヴィーンと開いた。
「通報の食い逃げ犯ってのはどこのどいつでィ」
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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時