ep38 ページ40
―no side―
「……ったく、だから呑み過ぎんなつったのに」
他所の家の長椅子で何の遠慮も無く寝息を立てるAを見ながら銀時が呟いた。
「銀さん、Aさんが言っていた攘夷の時の仲間って桂さんの部下とかですか?」
「だろーな。あいつ、Aに会ったって言ってたし」
空いたつまみの皿を片付けながら難しい表情をする新八。銀時もどこか遠くを見つめつつ、杯に残っていた酒を呑み干した。
「銀ちゃん……結局Aはなんのヤケでここに来たアルか?」
酢昆布をしゃぶりながら尋ねる神楽もAの中に存在する薄暗い部分を感じ取っていた。
「さぁな。まぁこればっかりは本人じゃなきゃどうにもならねぇだろ」
伊東鴨太郎の謀反に未だ鬱々としている真選組に啖呵を切ったAだが、自分のことになればまるで鈍感だ。
しょうもない罪悪感は捨て置けと叱咤したにも関わらず自身はその鎖から逃げようとしない。
「……ほんと困った奴だよ……昔からな」
「さてと、そろそろ届けに行きますか」と言って銀時がAを背負おうとした時――……
居間の扉がガラリと開いて土方と沖田が入って来た。
「「「は……?」」」
固まった万事屋3人を見て沖田が「あァ、忘れてた忘れてた」とそう言って続ける。
「御免くだせェ」
「『御免下さい』は入る前に言うもんだろォォオ!!なに友達の家みたいに上がりこんでるんですかアンタら!!」
「不法侵入だよね!?今警察が不法侵入してんだよねぇ!?」
「こんな夜に何の用ネ!?帰れヨ、チンピラチワワ!」
「夜更けにギャーギャー騒ぐテメーの方がチワワにお似合いだぜィ」
その時、ツッコミと臨戦態勢に入った2人の間に入ったのは土方だった。
「ウチの参謀さんが帰って来ねぇからまさかと思って来てみたんだよ」
「旦那、やっぱりAさんと知り合いだったんですねィ。コレですかィ?」
真顔で小指を立てながら尋ねる沖田に銀時は「何でどいつもこいつもそーなんだよ」と溜息を吐く。
「ちげぇよ。……ほら、サッサとおたくの参謀さん回収して出てけ〜」
手をひらひらとさせて背を向けた銀時に土方はAを背負いながらふと尋ねた。
「なぁ、万事屋……コイツ今日なんかおかしくなかったか?」
「……いぃや、別に」
そうか……と呟くと「世話かけたな」と言って土方達は万事屋を出た。
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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時