【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀

ep33 ページ35

何とも申し訳ない沈黙が広がる。


「この人マジで変わんねぇな……」と諦められたような悲しい台詞は聞かなかったことにして。


「まぁ早い話、私を引き抜きに来たんだろう？でも生憎、私は今の職場が気に入っててね」


あんな面白い職場、そうそうあるもんじゃない。人生一期一会。出会いは大切にしなきゃね。

それに契約満了まではまだまだ働かないといけないし。


「あのような下劣で矮小な組織に何の価値が――」

「それは君達の主観だろう？」


遮って言った私に言葉を詰まらせた浪士。
そう、それはあくまで攘夷志士の立場から見ればの話。


彼等は彼等なりの信条があり、正義があって攘夷を続けてる。しかしそれが幕府に理解されることはない。

それと同じだ。彼等は真選組の彼等が持ってる信条、正義を知らない。だから盲目的に排斥しようとする。


「両方を知る私から言わせてもらえれば、君達と真選組の彼等はよく似ているんだけどなぁ」



そう言えば露骨に嫌な顔をする攘夷志士。でも似ていると言うのは本心からの言葉だ。

自分の信条――絶対曲げられない何かの為に命をかけるその姿。立場は違えど侍そのものだ。


――――……私のよく知る誰かさん達も同じ。



　



「貴君まで幕府と共に腐り果てるつもりか！？」


「食べ物は腐りかけくらいが一番美味しいんだよ？」


その返答に彼等の顔が面白いほどに歪む。


それだけ本気で私を欲しがってくれてるのは参謀冥利に尽きるというものだ。我ながら嬉しいね。



　

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