ep31 ページ33
目が覚めてから数十分……私は起きたはいいもののなかなか布団から出る気になれずぼーっとしていた。
松陽の夢の後は、何かが欠け落ちたような感覚になるのが好きじゃない。
段々と辺りが賑やかになった頃、やっと布団から這い出した。
あれやこれや身支度を終えて食堂に向かい、いつも通り朝食をとっていると目の前の席に副長が座る。
「おはようございます」
「あぁ」
あれ、今日は副長の頭がボンバーになってない……と気になって沖田君を探すが食堂には見当たらない。
「沖田君はまだお眠り中ですか?」
「いや、今朝はやけに早起きしてサッサと朝飯済ませたら出てったぞ」
ふぅーんと頷きつつ、否めない避けられてる感には気づかなかったことにした。最後の一口をお茶と一緒に流し込み、食器を片付けようと席を立つ。
すると……
「橘、ちょっと買い出し頼んでいいか?」
マヨ丼製造中の副長に呼び止められる。
「今日も今日とて暇ですし、いいですよ」
てかマジで不味そうだな、マヨ丼。……というか現に不味かった。
とか考えながら安請負をしたのが間違いだったのだ。
「…………何ですかコレ」
「買い物リスト」
いや、それは分かってます。そうじゃなくてね、私が聞きたいのは
「何でこんな長いんですか……」
「あぁ。隊士からの希望聞いてたらいつのまにか多くなっちまってな」
なっちまってな、じゃねぇよ!どんだけ長いんだよ!
トイレの後、尻二回は拭けるだろこの長さ!
「ってことで頼んだ」
「勝手に話を終わらすなー。待ってくださいよ、まず私1人でどうこの量を運べと!?」
「屯所と商店街3往復すればいけるだろ」
それは“いける”に入るのかな!?もはや“いけない”と言うべきじゃないのかな!?
……というものの、今朝から隊士達が何かしらの騒動のせいで多忙を極めているのは知ってる。
買い出しに割ける人手は無い。
「分かりました、3往復しますよ」
結局買い出しを引き受ける羽目になったのだった。
「じゃあ失礼します」と食器を返しに歩き出して数歩、ふと思い出して副長を振り返った。
「そういえば副長。今朝、沖田君から何か聞きました?」
「いや……別に何も」
そう答えながら素知らぬ顔でマヨ丼を掻き込み始めた副長。それを一瞥して嘘だな、と目を細める。
まぁいつかはバレることだったしいいか、と騙されたふりをする。
「そうですか。じゃ、行ってきます」
2857人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時