【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀

ep28 ページ30

―貴女side―


ヅラと別れて屯所へと向かう道中、私は懐かしさも混じる薄暗い気持ちを抱えていた。

ヅラはああ言ったけれど、私は自分を責めすぎているとは思わない。実際あの日の出来事は私の采配ミスが招いたと言っても過言ではないのだ。


敵の罠に嵌り、銀時達を捕らえられた挙句……

銀時に松陽の首を刎ねさせた。


それだけじゃない。銀時達が捕らえられたことで戦況は混乱に陥り、本来出さなくて済んだ筈の犠牲が出た。


私はその事実から逃げてはいけない。


……いや、そんな綺麗事じゃないか。




罪を背負うとか、彼等の隣に立つ権利が無いとか……そういう話じゃない。


私はぴたりと噛み合い、規則正しく回っていた歯車を壊した。その挙句、自分のせいで散り散りになった彼等を見ていられず逃げた。


罪悪感とか責任感とかそういう立派でまともなものじゃなく、逃げとか甘えみたいなそういう粗末で貧弱なものを理由に逃げ出したんだ。


そして今も私は怖がっている。ただ単純に恐れている。
また自分のせいで大切な人を失うことを。大切な人からかけがえのないものを奪うことを。





私は戻ってきた真選組屯所の前で立ち尽くす。


そんな人間がいまだに参謀として他人の命を預かるような真似をしていること……松陽ならなんて言うだろうか。


久しぶりに何か、自分の決定的な過ちを見せつけられたようで胸中が波立った。



結局、そのまま屯所に戻る気にはなれず、私は踵を返して街に戻った。


街をほっつき歩いたところで、勿論何の結論も得られず


夜になってから屯所に戻った私は、足早に自室に戻りすぐさま布団に潜り込んだ。



　

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