ep21 ページ23
「今日こそは逃がさないアル」
私の腕を掴み上げながらそう言う夜兎少女に「困ったなぁ〜」と苦笑するしかない
本日、散歩帰り。
さすが夜兎の機動力と言うか何と言うか……屋根の上をチョチョイと移動し、気付けば捕まってた。
「これから仕事なんだけど……」
「知るか」
いや、せめてそこは気遣ってくれ。
一方的に睨まれる展開が続く中、そこに眼鏡君が遅れて現れた。
「すみません!ちょっと神楽ちゃん!いくらなんでも仕事の邪魔は――……」
「銀ちゃんとの関係を聞くまでは帰さないアル」
銀時との関係……?
「いわゆる幼馴染みってやつだよ。……それが何か?」
「絶対嘘ネッ!!オマエ銀ちゃんの女ダロ!」
おうおうおう、なぜそうなった。
「銀ちゃんがあんないい加減でぐだぐだな社会不適合者になったのはオマエにこっぴどく振られたからに決まってるアル!」
「いや、アイツのアレは元からだし、もはや生まれ持った才能としか言いようがな――っていだだだだぃぃぃいい!」
こめかみにぐりぐりと拳が押し付けられて激痛が走る。涙目で後ろを振り向くと噂をすれば何とやら――――銀時だった。
「こっちだっておめぇみたいなじゃじゃ馬、願い下げだっつーの」
えらく理不尽に願い下げられたもんである。
「てか人に頼まれた店番をそうホイホイすっぽかすんじゃありません!」
いてて……とか思いながら頭をさすっていると、説教と共に銀時のげんこつが二人の頭にも落ちる。
眼鏡君、何も悪くないのに――……。
「ならこの女は一体銀ちゃんの何アルか!?」
「言ったろ、幼馴染みだよ幼馴染み」
「そうそう、こたつの中に入ったまま放置されたミカンのようにじゅっくじゅっくの腐れ縁」
「……例えが普通に気持ち悪いです」
眼鏡君の冷ややかな視線に少々、心折れつつ……ちょいちょいと銀時の袖を引っ張った。
「ねぇ、あの子達知ってるの?昔の話とか……白夜叉の件とか」
「わざわざ話しゃしねぇよ……まぁ、隠してもねぇからどっかの誰かさんが喋ったかもしれねぇけどな」
やれやれといった表情で髪を乱雑に掻く銀時。
ふぅーん。
「この街にいるんだ?」
「あぁ、ヅラはな」
成る程、ヅラが喋ったか。
つまり幼馴染みって時点で私も元攘夷志士ってバレたようなもんだ。
……まぁ関係ない。昔の話だ。
2857人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時