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ep20 ページ22

翌朝――。



「う"ぅぅ……」


眉間に皺を寄せながらゆらりゆらりと廊下を進む。

歩くごとにガンガン頭が痛むこの状況――言わずもがな二日酔いだ。昨晩、飲みすぎた。

後悔先に立たずとはこれだ。




「最後の1瓶我慢しとけば良かった……」


激痛の頭を抱えながら食堂に入るとすれ違った隊士達が笑顔で言う。


「Aさん!おはようございます!」

「……あぁ、おはよう……」


私と同じくらい飲んでた癖に元気ハツラツな隊士達。

何でだよ羨ましいな、とか思いながら朝食のご飯と味噌汁、焼き魚を取り、席に着く。


そしてふと、今、初めて隊士から挨拶されたんじゃないかと気がついた。


なるほど。昨夜の暴動のお陰で私は見事、隊士達の信頼を得たわけだ。


焼き魚を頬張りながら一人、達成感に浸っていると目の前に同じく朝食の盆を持った副長が座る。


「……?」

いつもはこんな所座らないのに。

不思議に思って尋ねようとするが、とっさに魚が飲み込めずお茶を飲もうとした


その時――――



 



ぶちゅぅぅぅううう――……




私のご飯の上に美しいとぐろを巻いていく白い流体物。

驚きのあまり、飲もうとしていたお茶が口をつける前にじゃー、と落下していく。



ズボンがびしょびしょになったところで副長が白い流体onライスを差し出して言った。



「食えよ」

「拷問ですか?」


素で聞き返した私に「なんでそうなるッ!?」と突っ込む副長だが、それこっちの台詞。


「Aさん。それは土方さんなりの感謝の気持ち、あるいはお前を仲間として認める……的なアレでさァ」

「いや、分かんない分かんない」


あー、そういえば副長ってマヨネーズ狂だったっけ?
いや、それにしてもマヨネーズの食べ方にも限度ってものが……

……ダメだ。二日酔いの脳みそには刺激が強すぎる。理解不能だ。


潔く諦めた私の横で


「そういやァAさん、お漏らしですかィ?」


素知らぬ顔でセクハラぶっかます沖田君。


「お茶こぼしたんだよッ!」

なんならその原因もマヨネーズだ。


「着替えてきますんで、お気になさらず」


仕方なく溜息をつきながら立ち上がる。



そしてその去り際に一口……ほんの一口だけ、マヨネーズご飯をすくって食べ、


「まずっ……」


そうぼやきながらふらりふらりと食堂を出た。






 





「アイツ……いい奴だな」

「土方さんそれはチョロすぎるってもんですぜィ」



 

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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時

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