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ep14 ページ16

―no side―


「てかその万事屋とやら、ちゃんと依頼来るの?今月の家賃払えてないんじゃなかったっけ?」

「おかげさまで来月の家賃も払えそうにねぇよ」

「悲痛だな」


腹を抱えて笑うAと銀時。そんな2人を見つめる視線があった。



「絶対怪しいアル。あれ、きっと銀ちゃんの女ネ」

「いや違うでしょ!恋人のことあんな風に躊躇なく殴ったりしないでしょ!?」

「最近流行りのケンカップルってやつだナ」


「……神楽ちゃん、僕の話聞いてる?」



密かに銀時を尾行していた神楽と新八がAとの関係をあれこれ妄想する。


「銀ちゃんはきっとまだ未練たらたらアル。よっぽどひどいフラれ方したのネ」

「ねぇ神楽ちゃん、もう戻ろうよ。店の留守番すっぽかして来たってバレたら怒られるよ」



銀時の様子を気にしながらそう言う新八を適当にあしらう神楽。


「そんなことどうでもいいアル。銀ちゃんの恋路となれば応援するのが私達の役目ネ」

「今月の家賃のためにも店の留守番をするほうがよっぽど重要だと思うけどね!?」



「つまんねぇナ。だから地味メガネはダメなんだヨ」


「人のことついでみたいにディスってんじゃねぇよ!!」


根っからのツッコミ気質が炸裂する。



「もともとメガネのついでみたいな存在のくせに偉そ――――……っ!」



突如、ハッとしたように物陰から飛び出した神楽は目を見開いた。



「どうしたの?」

「……視線を感じたアル。あの女の」


まさか、と新八は笑う。



「こんなに離れてるんだから見えるわけないよ」

「確かに感じたアル」


頑固として譲らない神楽。
確かに彼女はそういう勘は普通の人間以上に働く。もしかしたら本当に……


そう思って新八も物陰から身を乗り出し、懐から双眼鏡を取り出して覗く。


Aは銀時に手を振って別れようとしていた。

そして曲がり角を曲がるその直前だった。




彼女はくるりと振り返って笑顔でこちらに手を振ったのだった。


“またね”


彼女の口がそう動くのを見た瞬間、鳥肌が立つ。
明らかに自分達に向かっての行動だ。


「……まさか、本当に……視えてる……?」


茫然とした新八の横で神楽が呟く。


「あの女、何者アルか……」



 

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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時

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