【銀魂】元攘夷志士司令官は幕府専属医師-弐- (ページ9)

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五十七訓ページ9

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手首の拘束は案外すぐ外れた

ドアは中から

『すいませーん！ちょっと良いですかー？』

って大声で叫んだら開けてくれたので

そのまま鳩尾にグーパンして気絶させた

どうやらここは船の中らしい

『船とかどうやって逃げるとやっ』ガタンッ

『！？』

急に船が傾いて思わず体勢を崩してしまった

暫くすると傾きも収まってまたうちは通路を進む

途中たまに刀がぶつかる音が聞こえてくる

『誰か来たと、…………かな、』

自分を探しに来てくれた人が……とか、

淡い希望を抱きながら通路を進むと

明かりがついている部屋を見つける

周りを警戒しながら中の様子を除くと

『！？こ、こいって……』チャキッ

「これがてめぇを斬ろうとした″紅桜″だ。」

『っ！？晋助…、』

うちの首筋に刃先を向ける晋助

「逃げんなって言っただろ。」

『晋助は言っとらんやん。

うちが逃げんよって言ったとやん。』

「じゃあ逃げんなよ。」

『嫌やし。

あがん汚か場所にずっと拘束されとるとか。

そがんことより、こん刀何？』

視線だけを晋助に送れば紅桜の説明をしてくれる

「対戦艦用機動兵器ってやつだ。

電魄と呼ぶ人工知能を使って

使用者の身体に寄生する。

似蔵みてぇにな。」

『…………だけんあがん刀が動いとったとね、』

「それだけじゃねェさ。

戦闘の経緯をデータ化して学習する。

その積み重ねで能力が向上するんだ。

巷じゃ、″生きた刀″なんて言われてるが

あながち間違っちゃいねェ。

俺は紅桜でこの腐った江戸を……世界をぶっ壊す。」

『っ、』

晋助の目は怒りと哀しみが混じっているように見えた

ガタンッ

『うおっ、』

またも船が揺れる

晋助はそれに動じず

刀を鞘にしまって今度は別の所へ歩き出した

『…………誰か、この船に来とると？』

「あぁ。銀時とヅラが居るぜ。他にも居たがな。」

『…………。』

「銀時は紅桜と殺り合ってるぜ。

クク……相変わらずバカだなアイツは。

生身で戦艦と殺り合うようなモンだぞ。

ほら、そこだ」

そう言って外へ出た先には

傷だらけの銀時と

前に見たときよりも

紅桜に侵食されている岡田似蔵が

物凄いスピードで戦っていた。

「Aっ！！」

名前を呼ばれて振り向くと

髪をバッサリと切っていた見覚えのある男が一人

『！ヅラっ！！』