検索窓
今日:2 hit、昨日:34 hit、合計:6,499 hit

6 ページ6

「ただいまああぁああぁ!!」
ひゃっほう、と叫びながら私は靴をぬいで鞄をその場におろし、リビングへ駆け込む。

テレビをつけて、冷蔵庫からアイスをとってきてゲームを開いたらもう最高!

あぁ…やっぱりお家が一番だね!!
神よ!ああ神よ!私は家を一生愛すことを誓います!

しかも、今日は両親共に帰ってくるのは遅い日。妹は何処かへ出掛けたようだし……。
つまり、今、この家には……。

「私とアヤしかいなあああぁい!!」

テーブルの下で寝ていたペットの猫であるアヤが驚いたように私を見る。
その動作がとにかく愛くるしく思えて、私は「アヤァァアァ!」と叫んでアヤに抱きついた。
しかし、アヤは逃げる!
おぉ!なんということだ!この私から逃げるなんて!

でも、そんなところも好きでっせ!アヤちゃん!


私は家に帰ると異様にテンションが高い。
これを見て分かるだろう。とにかくテンションが高い。

学校のときは暗い私。
家にいるときは明るい私。
まるで「別人」のようだ。
このような人物にはどのような言葉がお似合いだろうか?
それは「二重人格」だと私は思う。
きっと、私という個体の中には何人もの人が、性格が、個性が生きてるのだと思う。

そして、それぞれの個性たちは今日もまた私のなかで騒いでいるのだ。

とくに騒いでいるのが明るい個性。
きっと、この個性が本当の私。そう信じたい。

私は暗い?誰がそれを証明したの?
私は明るいのだ。学校で暗い印象を持たれているのは、たまたま低脳なやつらしか居なかったから。

私は、低脳なやつとは喋りたくない。

そう、あの甲高い声で鳴く女子共とか、馬鹿な行為しかしない男子共とか。

………ってダメだ。
また学校のこと考え始めてる。
学校のことなんて考えるな。私。
ここは家。私の家。私の居るべき場所。神聖なる場所なんだ。
そんな場所で醜い、群れることしか出来ないやつらしか居ない、学校のことなんて考えるな。

「ニャアァ」

アヤが可愛らしい声で鳴いた。
私は笑顔で言った。

「アヤも、あいつらのこと嫌いだもんね?」
「ニャァ」
「おー、そうかそうかー。やっぱりアヤは私の家族だよー」

正直、今の私はどうかしてると思う。
でもしょうがない。
私のような人種にとって、この時間帯は素晴らしいもの。だからこうもはしゃいでしまう。

私はアヤの頭を撫でた。
短く、長さが整っている艶やかな茶色の毛並みだ。

「学校、嫌だなあ」

リビングでそっと呟いた。

7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.4/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:オリジナル , 学校行きたくない , 学校   
作品ジャンル:その他, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。