Forever Kiss *

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『 ……お願い、帰って。これ以上、迷惑かけたくないの、 』





自分でも驚くくらい、


消えてしまいそうなか細い声。





風磨がどんな顔をして私を見てるのか、


知るのが怖くて、目を見られない。






風磨「 …馬鹿なの、お前 」





彼が溜め息をついたのが分かって


思わずさらにうつむく私。






風磨「 こっち見ろって 」


『 なっ… 』


風磨「 A、 」







顎に手をかけられ、ぐいっと上げられた。


その先に見えたのは、風磨の瞳。




心臓がうるさい。


雨が強まっているのに、


風磨の声はなぜかとてもクリアに、私の耳に届く。






風磨「 俺は、お前を迷惑なんて思ってねーよ。ただ単に俺が送りたいの。分かった？ 」


『 ……分かんないよ。私、風磨にそこまでしてもらうようなことしてないもん 』


風磨「 俺が心配なんだって。それだけじゃダメなの？ 」






ああ、もういいや、って


そんな気持ちになる。




"あなたのこと、心配なんだよ"って


最近言われたことあったのかな、私。




なんの見返りもなく、こんなに優しくしてくれた人なんて


今までにいたかな。




あったかい気持ちになった。


じんわりと視界が滲んできて、まずい、と思う。





『 …っ 』


風磨「 は？おい、A！ 」






泣き顔なんて見られたくなくて、


思わず、傘の下から抜け出した。


スーツにどんどん水が染み込んでいくのに


どうしてか、気にならない。






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