天然悲劇のヒロインなんて・・・5【稲荷崎】

ちょっとおさらい ページ28

梅雨も過ぎて暑い暑い夏の時期
私の元に1本の電話が入ってきた




｢もしもし、××です、那由多であってますか？｣



『先生！あってますよ〜！』




電話の内容は今度ある合宿に来てくれないか。
という内容だった、なんかトランペットとユーフォニアムが壊滅的らしい。



『分かりました、××日ですね行きますっ！』



了解と返事をして電話を閉じる
スマホの壁紙を見ると卒業の時に撮った私と北先輩のツーショットを見事に邪魔してくれた同期の入った写真が映されてる。


(私、顔ぐしゃぐしゃやん...宮侑達は笑っとるし、、北先輩は...)



驚いたような顔してたけど、北先輩も笑ってた
なんか自分だけ泣いてて変な感じ
それに、高校とか絶対泣かないって思ってたのにめっちゃ泣いてるよね私



中学時代に全てかっさらってた人に高校でも会って、新しい玩具で遊び始めて、それがバレー部で


2年になってからは私も表でいじめ始めて、その度にぶりっ子しててイラついて、悪い噂を気にした人達との壁で吹部辞めて


親と私を唯一繋げてくれた音楽は、親の道具でしかなくて、そこに私の感情は不必要で金賞じゃないと許されなくて


夏休み前に2年生が全員押し寄せて｢戻って来て｣と言われて


夏休み中にあったコンクール。私の全てをぶつけた、また昔みたいに仲良く、家族で話そうとかそういう願いを込めて、結果は金じゃなくて銀、大人も混じったコンクールで銀



届いた、そう信じて家に帰って聞こえてきたのは2人の喧嘩の声、私の想いは何も届かなかった。
怒りの感情に任せて｢〇ね｣って言って家から出てって、そこで北先輩と出会った



最初は誰かなんて分からなかった、確かバレー部の主将で敵対関係の方向苗字の先輩。
立川Loveなら消えてって言ったけど私が来てたのはまさかの合宿所



北先輩の前では謎の圧で嘘つけなくて、でも理由なんて知られたくなくて.....




(出会いは良いものじゃ無かったなぁ)



それこそ敵対関係、アンチ立川と立川の手のひらで踊らされてるバレー部。


絶対友好関係なんて無いしと思ってたけど、最終的にここまでこうなるだなんて...
人生何があるかなんて分からんわぁ



スマホを閉じて、バイトの準備をする。
店長に先に合宿の報告をしとく、その日は大丈夫だからと休みを貰えた。



店長｢お疲れ様〜、今日は上がっていいよ〜｣


『ありがとうございます』



おつかれ様でした、と言って家に帰る
合宿所は初めてあった場所で少し楽しみだった

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