天然悲劇のヒロインなんて・・・5【稲荷崎】

初夏の戦い ページ22

北｢Aやん｣


赤木｢那由多久しぶりやなぁ｣


『お久しぶりです』


お席に案内して、お冷を出して、色んな所からの注文を承って。
本来は夕張さんもやる仕事なんだけど当の本人は休憩中。



『お待たせしました！』



『今お伺いします！』



広い店内を1人であっちへこっちへ
夕張さんが戻ってくる頃、私は休憩したいくらいなのに...



夕張｢お兄さんっ、姫華があーんしてあげるね♡｣



(何があーんだよ、て言うかソコのお兄さんもあーんすんなや、上目遣いとかさ...)



店長｢姫華ちゃん..ちょっといいかな？｣


(あ、店長さんに呼び出された)



さっき来た高校生さんが｢変わりますよ｣って言ってくれたから少し休憩室に、ドアの外からは店長さんと夕張さんの声が...



店長｢夕張さん、ここはそう言うとお店やないんよ、いつも言ってるやろ？｣



夕張｢えー、でもぉ、コレでお客さん沢山来てくれてるじゃないですか。

売上にも繋がるし、そんなに怒られることですか？｣


確かに、そうかもしれないけど全員が全員夕張さんのファンじゃない。他の人にとっては単なる迷惑。
大体にしてアンタよりも、店長の方が顔良いし


夕張｢もしかしてぇ、店長私に妬いちゃってるの？｣


店長｢え？｣


夕張｢27、三十路に近いって言うのに彼氏に振られ、結婚の話なんてない。モテて可愛い姫華に妬いてるんだぁ。

ま、私は人気者ですしぃ、妬くのも当ぜ｢アンタなんかよりAや、店長の方が100倍可愛いんですけど｣｣



夕張｢は？なに、氷上さん｣



氷上｢だから、アンタみたいな心のクズい奴よりも、店長やAの方が可愛いっての、て言うかさ侑とか、来た時に媚び売るのやめてくれない？？｣



扉越しでもわかる。
かなり怒ってる、そういや蓮はバレー部ガチ勢...
あんなん毎日見せられたら嫌になるわな



夕張｢んー、氷上さんも妬いてるの？｣


氷上｢嫌ちゃうから、アンタは可愛くないっての｣


夕張｢へー、1番人気の私が可愛くない...｣


氷上｢誰がいつ1番人気と決めたんや｣



そーだそーだ！、このお店人気投票なんてやっとらんよ！自分可愛いとか錯覚してるだけやろ



夕張｢じゃあ、決めようよ1番を｣




初夏、ジメッとした暑さのある稲荷崎。
第1回、ミス空色選手権、女の戦いが始まる






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