天然悲劇のヒロインなんて・・・5【稲荷崎】

化けの皮がはがれた ページ19

紅林さんの冷たい、何処か怒りの籠った声が体育館裏に静かに響いた。


紅林｢環は、純粋にバレーやってるんや！
一生懸命やってるのに、アンタらみたいな人がなんでそんなこと言うわけ！？

高校から始めて、下手でも熱心に練習して、レギュラー取って、アンタらみたいな人が環で弄ぶなんて信じらんないのやけど！｣


そっか、1年の頃から少し仲良かったもんね
クラスも一緒だったし、1番近くで見てきたのかもしれない。
環君は色々と性格に難アリだったけど、根はいい子だった。



1年｢なんですか、先輩一生懸命になっちゃって...
大体にして、一生懸命やったって環先輩が見てる訳でもないし私の事を突き飛ばしたって知れば環先輩、紅林先輩の事避けるんじゃないんですか？｣




そう言うとちょっと悲しそうな顔をする紅林さん
あれ、もしかして...



紅林｢そんなの構わんわ！環で弄ばんって言うならそれでええっ｣



1年｢正義のヒーロー振って気持ち悪っ
そういう系の女子って嫌われるんですよ？｣



そうだそうだ、みたいな感じの顔をしてる他の1年。こいつらしばく？
超生意気やん、て言うか私はアンタらの方が超絶嫌なんだけど
沈黙が続く中体育館の出口の方から声が聞こえる









.








｢僕は正義のヒーローよりも、そんな理由で部活やってる人の方が嫌いだよ｣








.




その声を知ってるのか、好きなのか
1年生は慌ててる
化けの皮が剥がれた瞬間
見てて気持ちいい






須藤｢先輩、気持ち良さそうな顔しないでください｣



『あ、してたんだ』



なんかこのくだり前もやった気が...
まぁ、それは良いとして




環｢瑠花、急に呼び出したからびっくりしたけど何となくわかったよ、そんでさそこの1年生の皆はそういう人達だったんだね、正直好きになってくれるのは嬉しいけど部活真面目にやらんで、媚び売って、君達みたいな人僕は好きになれない｣




そう言うと、泣いてどっかに逃げてく1年生
後日聞いた話だと退部したとか何とか




環｢瑠花、僕の為にあー言ってくれてありがとう｣



瑠花｢は！？別に私は一生懸命やってる人に対してってだけでたまたまソレが環だっただけだから。
環じゃ無くてもあー言ってたから｣




んーー、それはないと思うけど
て言うかこの2人確実にあれじゃん両片思いってやつじゃん。
環君すごく嬉しそうだし...




(はよくっ付けばいいのに)




完全空気になってる中私はそんなことを思いながら二人を見てた

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