第4章 - 4話 ページ4
ピンポーン
私はクラピカがいるはずの部屋のチャイムを鳴らした。これで三度目だ。
しかし人の気配がしない。
それだけではない。
飛行機から降り、クロロと別れたのちに何度か電話をしたが一向につながらないのだ。
メールに返信もない。
不安な気持ちがこみ上げ、ドア越しに声をかける。
「クラピカ、いないのか?」
返事が返ってこない。
ドアノブを回してみると、ドアが開いた。鍵がかかっていないままだ。
何かが、おかしい。
私は勢いよくドアを開け、部屋の中へ駆け込む。
視界に入ってきたのは凄惨な部屋。
誰かが暴れたとしか思えない散らかり具合と壊れ方に息を飲む。
クラピカに何かあったのではないか。
そう思わざるを得ない状況だった。
焦げた匂いを感じコンロの方に近づくと、火がついたままであることがわかった。
きっと料理の最中だったのだろう、私の好きなスープの具材が鍋底で黒茶色に焦げている。
私は火を消し、俯いた。
(クラピカは、私のために、これを…。)
拳を強く握りしめ、どうしようもない感情と衝動に身を任せて部屋を後にした。
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ねこ@自己満小説(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2021年12月6日 7時) (レス) @page15 id: d675a829f6 (このIDを非表示/違反報告)
零落*・reira(プロフ) - なつみかんさん» コメントありがとうございます!すごく嬉しいです!これからもこの作品をよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ (2020年2月18日 7時) (レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん(プロフ) - 合格おめでとうございます!!続編めちゃめちゃ嬉しいです!2も楽しみにしてます〜! (2020年2月18日 4時) (レス) id: a4479fa504 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零落 | 作成日時:2020年2月16日 15時