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014:頭痛 ページ15

昼間に家の近くで見つけたカフェ

理想通りの場所に出逢えた気がして

心が弾んだ。

インスタに写真をアップする。

フォロワーなんて数人しかいないはずなのに

一気に3人ぐらい増えていてビックリした。





あのリプをくれた人のアカウントには

鍵が架かっている。

不思議なアイコンだった。

海と砂浜と靡く長い髪

確か[僕]と言ってたから、彼女なのだろうか。





ジュネは普段ここにいない事が多い。

ここはご家族が所有する家で

彼の職場がここにとても近いから

手放せないらしい。





なぜか 今日は帰らないとジュネから連絡があったけど

普段そういう連絡をしてくることはまずない。

まるで彼氏みたいだ

そう思うと 変な気分だった。





買ってきた雑誌を手に

出来上がったばかりのボロネーゼを頬張る。

いくら記憶がないからと言って

いつまでも彼にお世話になるわけにはいかない。

ただでさえ お手伝いみたいな事でここに住まわせてもらって

しかもお給料まで貰っているなんて

何だか 罰が当たりそうだ。




パラパラとページを捲って

モデルのような男性の特集ページに差し掛かった時





ーAー





激しい頭痛がして

あの声が聴こえた。





『あ、このカフェ行きたい!』
『ここからそう遠くないね。今度のオフで行こう』
『ジョセフも行けるかな?』
『犬OKって書いてある』





時々こうやって記憶の断片みたいなものが蘇って

だけど全体的に白い靄がかかっていて

無理に思い出そうとすると

さらに頭痛が増した。





「ジョセフ………犬……?」





ージョセフは犬かもしれないー





ジュネにLINEを送ったけど

返事はなかった。

だけど 直後に

見てはいけないものを見てしまった。





「ikon……ジュネ…………?」





テーブルの下

落ちた雑誌を拾おうとした時

かっこつけてカメラ目線をキメる彼と目が合ったからだ。





「ジュネって……アイドルだったの…?」





でも確かに

彼は顔も可愛いし、スタイルもいい。

言われてみればいい声してるし

なぜか 歳の割に健康的な食事を心がけていて

暴飲暴食をしない…

それに この近くに職場があるって…





「YGって……BIGBANGの……」





ー…最後ぐらい素直になってくださいー





またあの声が響いた時

目を開けられないほどの頭痛が襲って

そのまま真っ暗になった。

015:ディナータイム YH→←013:ナニコレ JN



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作成日時:2017年5月20日 0時

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