11 中也Side ページ12
中原「(AのGPSがオンになったか…)」
中原「かかったか。」
中原はAのGPSのスイッチが入ったのを確認すると、Aと約束した場所の確認をした。
いざ、其所へ向かおうとしたところで聞き覚えのあるあの憎たらしい声が聞こえたのだ。
太宰「中也。」
中原「なっ…太宰…手前、今まで何処に!」
太宰「Aちゃんは、色事かい?」
太宰の顔は翳りを見せていた。白を基調としたスーツに身を包み、包帯を取った太宰はマフィア時代など想像がつかない。
中原「…チッ。そうだよ。Aは今回色事だ。志賀直哉とな。」
太宰「…中也、悪いことは言わない。今すぐ向かえ。襲撃の規模を拡大してAちゃんを救え。彼奴の異能力は危険だ。」
マフィア時代と比べて表情の変化が見られるようになっていた太宰は中原からすれば何処か気色悪く見えてしまい、目を逸らすばかりである。目を見ずに中原は返答した。
中原「手前ェ…何を知っているンだ。」
太宰の表情は読めない。何にせよ見てないから分からないが。
太宰「…どうせ、また会うよ。じゃあね中也。私が言ってたことに間違いがあった事があったかい?すぐ向かうんだ。」
中原「おい!待て太宰!」
そう言い残すと太宰の姿は其所になかった。
中原「…っ…!糞っ!」
双黒時代に太宰の作戦が違ったことはなかった。だからこそ彼奴の言葉は信用出来たしこれからもその先もマフィアに必要だった。
中原「(あンの糞青鯖は…)」
太宰に悪態付きながらも、中原はAの元へと足を進めた。
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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時