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行きの車は黙り込んでいた。
黒服「着きました。お気を付けて。」
「ありがとう。行きましょう中原幹部」
中原「嗚呼。」
「帰りはまた迎えに来て」
黒服「了解です」
扉に向かって歩く。ドレスアップでこういう任務は実は初めてであるからかその足取りは重かった。
中原「手前、初めてだろ」
「うん。」
中原「怖かったら呼べ。GPSならつけてるからボタン押せ」
「ありがと。よろしく」
パーティはAたちが着いてからすぐに始まった。
様々な面子、位が揃っていながらAは丁寧に一人ずつ挨拶をする。そんなことをしていれば目的のターゲットを見つけた。向こうから近寄ってくるため、Aは動く必要が無い。
「志賀様。」
志賀「君かい?ポートマフィアの使いは」
「そうでございます。中井Aと申します。」
志賀「志賀直哉だよ。よろしく」
志賀直哉ー。ポートマフィアの同盟組織でありながら反逆組織と同盟関係を持ったという。目の前の男は異能持ちだというが何の異能なのかまだ割れていないそうだ。
志賀「魅力的な女性だね。」
「まあ、とってもお世辞がお上手でいらしてるんですね。」
Aの笑顔は人を魅了する。志賀にもそれは通じるのであろう。
「(何故か動揺が少ないな志賀…)」
怪しく思うAだが、それとは裏腹に会は進んでいく。無論、話も進んでいたのだ。
志賀「…でどうだい?Aさんこれから食事でもどう?」
「あ、はい。いいですわね。それなら○○のイタリアンがいいですわ。」
ここでポートマフィアでも相手側の傘下でもないイタリアンを提案した。これは中原にも伝わっている事項である。ホテルの中にあるイタリアンであるため、そのまま直行だろう。
志賀「いいね、そこにしよう」
「(かかった…!)」
「いまから向かいましょう。志賀様」
志賀「終わってからでもいいのだけれど」
「早く二人になりたいです。私…志賀様と…だめですか?」
首領に言われた通り、色事を経験した先輩の言った通りの台詞を頭をフル回転させながら吐いていく。
志賀「いいね…行こうか」
そう言って志賀は前を見つめて歩き始めた。異能力が割れていない志賀の攻略は難しいため今回は色事の経験なしでもAに任務が託された訳であるがどうもおかしい。
「(かかったけど。。怪しい)」
Aは怪しみつつ、太腿に巻かれたガーターのGPSスイッチをオンにした。
?「あれは…Aちゃん…?」
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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時