能力 243 ページ45
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バタンと生徒会室のドアが閉まる。
ゾロゾロと出できた生徒たちは何を話すわけでもなく、用も終わったしさっさと帰ろうとまばらに消えていく。
「はぁ……」
また彼女の横暴に付き合わされるのか、とスッキリしない頭を片手で抑えながら赤葦は自室への道を歩く。
本当は授業があるのだが、赤葦は生徒会役員、授業は自由参加だ。あいにく今は集中出来そうにないしどうせ授業もつまらない。だから、どうにか体調を整えたかった。
「(購買に寄って消化のいいものを…)」
食欲もないが、食べなければ倒れる。モヤモヤとした頭で考えながらポケットの中の小銭を軽く握った。
「京治ｯ！」
すると、突然後ろから男性にしては高い声がした。
聞き覚えのある声、だが今は会いたくなかったなと思いつつ赤葦は振り返った。
「………孝支さん」
赤葦を呼んだのは菅原だった。
他の人とは違い下の名前で呼び合う。はたして二人は親しい間柄なのだろうか。
「今は授業中では？」
「まあ、そうなんだけど……いまは検本作業で授業免除貰ってる。」
「ああ、そういえばもうそんな時期ですか」
うちの学校は年に一度、図書館に保管されている書物の番号一覧と実際の書物に記されている番号を照らし合わせ、本が紛失していないか全てチェックし、それと同時に本の状態も確認する……検本作業が夏休み明け辺りから秋休みくらいにかけて行われる。
学校図書ではよくあるはずだ。
本の数も多く作業も細かくかなり大変なので、その期間は図書委員は申請を出せば授業を免除することが出来るのだ。
「忙しいとは思いますが、頑張って下さいね」
「ああ、うん。ありがとう。でも京治も無理すんなよ？最近ちゃんと寝れてるか？なんか隈ができてる気が……」
「大丈夫です」
菅原が近づいて顔色を確認しようとしたら、赤葦はすかさず声をかぶせ距離をとった。それはわかりやすい拒絶だった。
「………ごめん、無神経だったな。なんか俺にも出来そうなことあったら言えよ！俺も手伝うから！」
僅かな間の後、明るく言う彼にすこし罪悪感を感じながら、赤葦は曖昧に返す。
「………はい。まあ、あったら、言いますね。」
「うん。じゃ、俺は図書館もどるな。」
「はい」
菅原はそうして歩きだす。赤葦も彼の向かう反対方向に歩き出した。少しして菅原は思わずふり返り赤葦の姿を悲しげに見つめる。
赤葦は振り返らない。
「………………」
届け、と何かを訴える
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サヤカ(プロフ) - いちばん、大好きです。こんなにも読み返した作品今までにないです。心無い言葉ではなく我々の感謝に目を向けてください。応援しています。 (2022年10月19日 16時) (
レス) @page50 id: 61500f37b5 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊蒼 - すっごく面白いです！友達にもおすすめしちゃった！！ (2022年9月22日 17時) (レス) @page50 id: 9b1ede6104 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ずっと応援しています！最高に面白くて、毎回更新されてないかなぁと見に来ていました！次回作、本当におめでとうございます！！とても読みやすくて、本当にHQ作品の中で一番好きな作品です。何回も読み直させてもらっています。次回作も楽しみにしています！ (2022年6月15日 16時) (レス) @page50 id: 68bcf78704 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 油揚げさん» いつもコメントありがとうございます。新作のコメントも読ませて頂きました。しかし、悲しいことに無意味な低評価が多くメンタルにも影響がありそうなので作り直させて頂きました。いつも本当にありがとうございます🙇♂️ (2022年5月18日 8時) (レス) id: f85dcebcdc (このIDを非表示/違反報告)
油揚げ(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！めちゃくちゃ嬉しいです！！！ (2022年4月19日 9時) (レス) @page48 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)
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