能力 240 ページ42
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Aがなにか大切なものを捨て、ゲロゲロしているその隣でもゲロゲロ事件は勃発していた。
「ひっ、日向くんっ、頑張って…!!」
「うっ、うっぷ……も、もう、これ以上は……っ」
「わー!!!お水お水!!」
集中特訓、茂庭と日向のコンビである。
日向の他のものを加速させる特訓。それに適しているのは影山の水か茂庭の作った銃である。
しかし、日向は元々酔いやすい体質もあってか、さっきからゲロゲロが続いていた。茂庭はそのお母さん力を発揮し、ビニール袋とお水をすかさず日向に渡す。
「……ふぅ、茂庭さん、お水ありがとうございます…」
「大丈夫だよ。少し休憩しよっか」
「すみません…」
まあ、こちらはあちらほどスパルタでは無いようだが。
どこからか茂庭さんを見習え!!!バシィン!!いだァッ!!!という音が聞こえるが、茂庭は敢えてそれを無視し、日向の方に向き合った。
「やっぱり自分以外のものは難しい?」
「うーん、なんか、体は感覚で力のこめ方とかもこうだ!!って分かるけど、他のものはどう動くのか分からなくて、その、上手く加速できない…というか…」
そこの言葉を聴きながら、茂庭は少し考える。
つまり力のつたわり方が分からないから、能力の乗せる場所も分からないということだろうか?
「うーん、加速物への理解が足りてないのかな?たしかに能力はイメージが大事だし、より詳しく知れば上手くなるかも………ちょっと待ってね」
「?」
10分後、茂庭がどえらい量の参考資料と物資を持って戻ってきた。
「………へ……」
「今は迷ってる時間はない!とりあえずこの銃の仕組みを頭に入れてみよう!」
「…………お、おおお、おべんきょ…」
「頑張ろう!日向くん!」
「はひ」
日向はあまりの本の多さに白目を向きながら倒れかけた。茂庭は日向をがっしり受け止めつつ、楽しそうにガッツポーズをした。武器のことになると人が変わる。
やはり、こっちもこっちだった。
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サヤカ(プロフ) - いちばん、大好きです。こんなにも読み返した作品今までにないです。心無い言葉ではなく我々の感謝に目を向けてください。応援しています。 (2022年10月19日 16時) (レス) @page50 id: 61500f37b5 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊蒼 - すっごく面白いです!友達にもおすすめしちゃった!! (2022年9月22日 17時) (レス) @page50 id: 9b1ede6104 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ずっと応援しています!最高に面白くて、毎回更新されてないかなぁと見に来ていました!次回作、本当におめでとうございます!!とても読みやすくて、本当にHQ作品の中で一番好きな作品です。何回も読み直させてもらっています。次回作も楽しみにしています! (2022年6月15日 16時) (レス) @page50 id: 68bcf78704 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 油揚げさん» いつもコメントありがとうございます。新作のコメントも読ませて頂きました。しかし、悲しいことに無意味な低評価が多くメンタルにも影響がありそうなので作り直させて頂きました。いつも本当にありがとうございます🙇♂️ (2022年5月18日 8時) (レス) id: f85dcebcdc (このIDを非表示/違反報告)
油揚げ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!! (2022年4月19日 9時) (レス) @page48 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)
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