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能力 231 ページ33

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あんなに賑わっていた祭もいよいよ終わりに差し掛かった。屋台もいくつか閉め始め、人は減ったものの村にはゆっくりとした時間が流れていた。


大きな事故や事件もなく進んだ祭。
こればかりはA一人では絶対に出来なかっただろう。この学院に来てから無茶を沢山したが、これはダントツだと思う。


ふと、岩泉が一人歩いてるのが見えたので、Aは小走りで向かい、話しかけた。


「岩泉さん」

「おっ、Aか。運営の仕事は大丈夫か」

「はい。人も捌けて今は皆ぐったりしながらご飯食べてます。それにしても、岩泉さんの太鼓、かっこよかったですよ!」

「ははっ、ありがとな。俺も久々に楽しかったよ」


彼はそう言って、何処か遠くを見つめながら薄く笑う。久々に……その言葉にはきっと及川が絡んでいる。彼は最近まで、生徒会があり岩泉たちともろくに話せていなかったらしい。

彼らが楽しめたなら、私の無茶振りも案外役にたつ



「二人とも、お疲れ様」


背後から声がして2人して振り向くと、そこには大将がご機嫌そうに歩いていた。


「………なんかご機嫌ですね」

「んー、まあ、ちょっとね。」


岩泉の言葉に大将はニコリと微笑む。
Aはそれを見て、どうやら彼は彼女にちゃんと会えたのだと分かった。彼女の家に飾ってあった巫女服をAは見逃さなかった。


「言葉は、伝えてこそ意味があります」

「!」

「?」


Aの発言に驚いたように目を見開く大将。反対に岩泉は疑問符を浮かべる。


「たった数十の音で、行動だけでは伝わらない想いや意味を表す。不思議ですよね。でも、その音があったからこそ愛や知識を深め広げ、伝えた。それは昔から変わらない。」

「…………人は、昔からそうだ。」


すると大将が懐かしいものを見る目で何処か遠くを、星が輝く空を見つめる。彼にとってこの世界はどう見えていたのだろうか。


「生と死の狭間を必死に生きていた。たった数十年、いずれ終わりが来ると知っていても目の前の今この瞬間(トキ)を、必死にだ。そして、その一瞬に精一杯の愛と言葉を乗せ、発展しながら命を繋げた。まるで俺たちの永遠のように。

………これが人の良さだろうなぁ」


大将は星を見ながら、スっと目を細める。それはまるで、成長し続ける人の生き様を眩しそうに見ているようだ。




すると、本当に眩しい光が下から伸びて大きく花開いた。



そしてドォーーンという音が鼓膜に響く。





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サヤカ(プロフ) - いちばん、大好きです。こんなにも読み返した作品今までにないです。心無い言葉ではなく我々の感謝に目を向けてください。応援しています。 (2022年10月19日 16時) (レス) @page50 id: 61500f37b5 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊蒼 - すっごく面白いです!友達にもおすすめしちゃった!! (2022年9月22日 17時) (レス) @page50 id: 9b1ede6104 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ずっと応援しています!最高に面白くて、毎回更新されてないかなぁと見に来ていました!次回作、本当におめでとうございます!!とても読みやすくて、本当にHQ作品の中で一番好きな作品です。何回も読み直させてもらっています。次回作も楽しみにしています! (2022年6月15日 16時) (レス) @page50 id: 68bcf78704 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 油揚げさん» いつもコメントありがとうございます。新作のコメントも読ませて頂きました。しかし、悲しいことに無意味な低評価が多くメンタルにも影響がありそうなので作り直させて頂きました。いつも本当にありがとうございます🙇‍♂️ (2022年5月18日 8時) (レス) id: f85dcebcdc (このIDを非表示/違反報告)
油揚げ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!! (2022年4月19日 9時) (レス) @page48 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘納豆 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年9月27日 15時

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