【HQ.能力パロ】話をしよう 第五部

能力 209 ページ11

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○月✕日
今日、大将様の部屋である術符を見つけてしまった。
神様が作る術符であんなに力の強いものは初めて見た。霊力が逆流して弾かれた。まだ左手が痛む。
なんの術なんだろう？部屋にある術の本にはなかったから、高等技術なんだろうけど……若返り？いや、そんなもんじゃないはず。そもそも、不死の術なんて本当にあるのか。

俺はどうすればいいのだろう。どうしたいんだろう。
分からない。
ひとつ確かなのは、大将様の役にたちたい。
でも俺にはその力はない。だから、強くならなきゃいけない。


....



○月□日
今日、何気なく術について沼井さんに聞いてみたら、神殿の奥にある書物庫には昔大将様や先輩方が術の勉強に使った古書が沢山あるらしい。
それがあれば俺も勉強できる。まずは基礎から固めよう。
実践も多く取り入れよう。
大将様の焦りの原因も、何となく分かった。

時間が、無い。



....



△月☆日
どうしよう。
大将様の術には贄が必要だ。どう考えても、贄がなければあんな術成立するわけない。…どうすればいい？
内容も仕組みも原理もわかったが、重要な材料が足りないなんて。どうする。
人を、襲うべきか？
どうしよう、どうしよう、どうしよう。



....



△月○日
今日、広尾さんに体調が悪いのかと聞かれた。
そこまで追い詰められてるのか、俺は。
最近は悩んでても仕方ない気がしてきた。だって俺の目的はあの御方の役に立つことだ。日に日に霊力がトゲトゲしくなっていくのを見てると、つらい。
……うん、やるしか、ないだろう。

何か得るためなら、全力で。



....



□月△日
生まれて初めて人を襲った。一人目は手始めに若い女を狙った。思ったより上手くできたし、スムーズで自分が一番驚いている。
どこに置いておくか考えた末、森の誰も寄りつかない洞窟の中に穴を掘って窪地にすればとりあえずは逃げられないだろう。ちゃんと防音、獣人避けの術もかけておかないと。
これでいい。これで大将様のお役に立てる。




....



9月3日

どうやら今日から、若い学生が山に出入りしてるらしい。元気がいいし力もある。あと四人で足りる、ちょうどいい。

でも、最近迷う。おれは、本当に大将様の役にたてているのだろうか。悪いこと、だろう。なのに、どうすればいい。俺は、どうすれば…………
辞めたいと思う時もある。だか、もう、ここまでしてしまった、やるしかない。


でも、でも………






くるしい







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