カフェオレ男子【昼神幸郎】

３３．巫山戯すぎた ページ33

side星海



『ごめん星海、今大丈夫？』


「おう、大丈夫だ。どうしたんだよ、幸郎じゃなくて俺でいいのかよ。」





俺は嫌がらせついでに、幸郎をガン見しながら大声で話す。


案の定、幸郎は複数の部員に羽交い締めにされながらも俺を睨んでいる。


その怒りの矛先は俺なのか、部員なのか、はたまたAなのかは分からないけど。





『？だってあの後話せなかったじゃん。
昼神だけにかっこよかったよーっていうのなんか不公平だし、私にバレー色々教えてくれたの星海だし、直接言うのが筋でしょ。

昼神に伝えてもらおうと思ったけど、別れた時なんか放心状態だったから、きっと伝えてないだろうなって。だから電話した。』


「おう、ありがとな。けど、お前変なとこで真面目だよな。幸郎が妬くぞ。」





こっちがどんな会話しているのか聞こえない幸郎にとっては、自分の名前が出る度不安だろう。


現にさっきより暴れ出す力が強くなったし、眼光が鋭くなった。


一応電話中とのことで、叫び出さないように誰かが咥えさせていた。なんか拷問っぽい。





『団体競技に贔屓とかしちゃダメでしょ。みんなで勝ったんだから、みんなを賞賛して当たり前。昼神には誰よりも早くに本人の前で言ったから良いの。

星海は今日も凄く高く飛んでたね。流石は【小さな巨人】！！』


「っ、おっまえ、褒めるの上手すぎだろ！」


「？！〜〜〜っ！！」





ただならぬ気配を感じて、更に幸郎の眼光が鋭くなる。


何かを言っているようだが、タオルを咥えているので言葉になってない。





『２ｍさんも凄かったよ。まだ始めて４ヶ月とは思えなかった。次も頑張ってくださいって言っておいて。あとセッターの人はジャンフロ？がキレキレだったね。リベロの人もＡパス？が多くて凄かった。スパイクも狂気過ぎてずっとビビってた。

なんかアレだね。ウチの男バレって凄いんだね。』


「！！

みなさん！！俺のマブダチがウチの男バレ凄いってしきりに言ってます！！！」


「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！」」」」」





焚き付けたメンバー達はそれぞれに喜んでいる。



だがその拍子に押さえつける手が緩んでしまい、封印されし魔王が目覚めた。


あっという間に俺の真正面に来ると、いつもの笑顔＋物凄い黒いオーラを纏いながら言った。





「光来くん。今までの嫌がらせは不問にしてあげるから、今すぐそのスマホこっちに渡してくれない？」





恐怖。


ぶっちゃけ巫山戯すぎたかと思ったが、俺は咄嗟に電話を切った。



俺はマブダチを大切にする男だ。



だがその後、俺は幸郎に物理的に絞られた。

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