カフェオレ男子【昼神幸郎】

３１．残念なお知らせです ページ31

その後、私は近くのご飯屋さんで昼食を食べ、結局残りの時間は体育館でぶらぶらして過ごした。



途中で、稲荷崎なる高校のお母様方と出会い、懇切丁寧にバレーのルールや楽しみ方を教えてくれた。


豪快な関西弁がかっこよかった。




そんなこんなで、インターハイ１日目の男子８試合目が行われた。



鴎台ＶＳ栄西



結果は鴎台が２セットを先取して、初戦突破。


星海も前以上に高く飛んでいたし、２ｍさんもバシバシ止めていたし、セッターの人や他のアタッカーやブロッカーの人もすっごくかっこよかった。



その中でも勿論昼神は誰よりも輝いていたし、私の席の前で実況しているアナウンサーの人たちも『不動の昼神』の名を沢山沢山呼んでいて、地元だけだった名前が全国に羽ばたいた様を、私は目撃した。



そのまま観客席に座っていると、後ろからユニフォームから着替えた、普通のＴシャツ姿の昼神がやってきた。






「Aちゃん！」


「お疲れ様昼神。かっこよかったよ。」


「ありがとう。ちゃんと俺だけ見ててくれた？」


「そんなの無理だってことわかって言ってるでしょ。」


「ふふ、ごめんごめん。言ってみただけ。」





昼神はそのまま私の隣に座る。

第８試合は最終試合なのでもうすぐ体育館も閉まるし、昼神達もホテルとかにすぐ戻ると思っていたけれど、少し時間を貰ったようだ。ホテルも近くらしいし。





「星海にも、今日も高く飛んでたねって言っておいて。」


「うん。まだまだだねって言ってたって伝えておくね。」


「なんでそんなイジワル言うの。」


「普通にヤキモチです。」


「別にかっこいいとか言ってるわけじゃないんだけど……」


「ヤキモチ焼きな男は嫌い？」


「………………………………別に。」


「やった。」





【不動の昼神】がヤキモチとか、あんまり考えられないけれど、ちょっとかわいいと思ったのは優しい私は黙ってあげるのだった。


昼神は終始嬉しそうに私の会話を聞いていて、私たちは時間の許す限り、試合のことを話していた。



けれど、楽しい時間というものはすぐに終わってしまうもので、不意に昼神の携帯が鳴った。


そろそろ解散の頃合らしい。





「あ、そろそろ行かないと。また夜連絡する。また明日も、応援よろしくね。」


「あ、うん。昼神もちゃんと寝て…………ぁ」


「ん？どうしたの？」





「ごめん、明日と明後日の第３試合、私応援行けないんだ。」

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