29.過保護か ページ29
「昼神、久しぶり。元気にやってる?」
久しぶりの再会には上出来の、まぁまぁ自然な感じで話しかけれてたんじゃないだろうか。
けどちょっと気まずくて目は合わせないように少し視線を外してしまったし、照れくさくて顔が赤くなっている気がする。
お願いだから気付くなよ。気付いたら絶対揶揄われるのは知っているんだ。てか、気付いても揶揄うなこの愉快犯。
……という、私の考えとは裏腹に。
「ねぇ、さっきふらふらしてたけど大丈夫?!どっか体調悪い??」
「……んぇ?」
「目線合わないし、ちゃんと俺の顔見えてる?!てか、顔赤いし、水分とってるの??」
「……ェ、ちょっと待って、昼神?」
「こっち来て、早く身体冷やそう。熱中症かもしれない。」
「…………ぇ?ちょ、え???」
ものの数秒で異変に気付かれたが、私が思っていたのとは違う方向で認識されてしまった。
昼神は私に詰め寄り、肩をガシッと掴んで顔を隅々まで覗き込んでいる。
顔近いから余計に顔が赤くなってしまう。
「っ!Aちゃん体温上がってきてない?!顔すっごい赤いけど?!」
「え、いや、これは、」
「とりあえず水分と氷用意しなきゃ。その前にどこか人気のない涼しい場所に」
「昼神!!大丈夫だから!!!お前が落ち着け!!!!」
そして私の手を掴んで何処かに連れていこうとした昼神を制止する。
確かに、確かにね??ちょっと熱気に充てられてふらふらしてたのは認めるけども、ちゃんと水分とってるし汗も正常に出てるし、体調は万全だから!!
「っ、でもAちゃん、顔赤.…」
「あ、暑さで赤くなるのは当然でしょ!!汗だってかいてるんだから当たり前!!お前私のことなんだと思ってんの?!」
「あ、はは、ごめんごめん。怒らないで〜」
私の叫びが通じたのか、昼神はすぐにいつものへらへらした感じに戻り、ごめんごめんと謝ってきた。
こいつ、こんな過保護だったっけ。
まぁ、からかわれるよりかはいいけど。
誤解もすっかり解けたところで、昼神は掴んでいた手を解き、逆に指を優しく絡める。
そして更に距離を縮め、優しい目つきで私を見つめた。
今度は昼神の頬に少し赤みがさしていて、私は気まずくて目線を逸らす。
周りの目線も気になるけれど、幸いにもこちらを気にしている人はいなかった。これだけ人がいれば当然だけど。
「…………来てくれてありがとう。」
「…………まぁ、約束だし。」
そう笑って言う昼神が、いつも以上に嬉しそうで、なんだかつられて嬉しくなったのは、いい傾向だと思う。
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早苗くん - 36話めっちゃすきです。「海を渡る鴎に相応しい、海の男の音が響き渡る。」のところカッコよすぎです。 (6月10日 12時) (レス) @page36 id: 5215e79380 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - あぽ様です。さん» ですよね!わかってるんですよ「現実的じゃないなぁ」「ちょっとキャラ崩壊かなぁ」とは!しかし!私の解釈で書いてまいりますので!応援してくださる方はそのままで、ダメな方はゆっくり回れ右をして頂く!これが葵坂流でございます!コメントありがとうございました! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ぺpopo。さん» ありがとうございます!!え、後味スッキリでした?!そう思っていただけたなら作者冥利に着きます!!夢主の性格は、作者どうしてもThe.女の子っていう子が書けない中でどうやって恋愛小説っぽい子を書くか思案した結果あぁなりました!これからもよろしく願いします! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» たくさんのコメントありがとうございまする!やはりあそこですか!!作者も結構頑張ってキュンを追求したのですけど、やっぱり展開が早すぎたかなぁと反省しておりました。そんなところにFLOWER様のコメントを頂きまして、大変心がほっとしております!次も乞うご期待! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
あぽ様です。 - 告白現場に居合わせる、ひどい振り方とか夢あるあるだね (2023年5月3日 0時) (レス) @page3 id: a540b2ed94 (このIDを非表示/違反報告)
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