１５．かっこよかったよ悪いか ページ15
結果は２-０。点差も大きく、試合は１時間も経たずに終わった。
勝ち進んだ鴎台は、明日２試合やって、勝ったら３日目の準決勝決勝に進むという。
私は静かにギャラリーを降りて、体育館の外に出た。
蒸し暑い体育館と比べたら、外は爽やかな風が吹く心地よい場所だった。
さて、星海辺りに一言言って、差し入れ渡したら帰ろう。
私はキョロキョロとみんなを探す。
すると、後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
「あ、A！！お前帰ろうとしてねぇだろうな？！」
「っ、ほ、星海……」
探していた人であったけれど、なんか凄く怒ってらっしゃるような。
星海はバレーシューズを脱いで外靴に履き替えると、つかつかと私の方に詰め寄る。
「遅れてくるわ応援席間違えるわ先帰ろうとするわ、お前巫山戯んなよ！？」
「ご、ごめんなさい。ってか、帰ろうとしてないし！！ちゃんと差し入れだって買ってきたんだからな？！」
「あ、１０秒チャージ！！お前わかってんな見直した！！」
「手の平返しが早くないか？！」
差し入れのゼリーを見せた瞬間に、私の背中をバシバシ叩いて喜ぶ星海。
てかいったいわ！！もっと優しく！というか叩くな！！
「はいはい光来くんそこまで。Aちゃん痛がってるから。」
そしてやってきた、この男。
奴は星海の襟首を掴んで私から引き剥がした。
てか、かなり足元浮いてるけど大丈夫なんか。星海生きてるか。
ちょっと心配したけれど、早々に奴は離して貰えたようで、私の手からゼリーが入った袋を奪い去ると、キャプテンらしき人に私に走っていった。
必然的に、ここには私と奴の２人きりとなる。
「今日は光来くんの応援？」
「………団体戦なのに個人の応援とかないし」
「あはは、たしかに。それじゃあ、ウチの応援？」
「まぁ、そうだけど………」
「？」
そうだけど、そうじゃない。
これをこいつの前で言うのはなんか凄く嫌だけど、言わないでいるのもなんか違う。
私はバレーに興味がある訳でもないし、そう思われたらまた星海のバレーボール講座が始まってしまう。
「……アンタばっかりが私のところ来るのは不公平だから。」
「えっ」
「克服しに来たの。悪いかこの野郎。」
私の言葉に、奴は大きく目を見開く。
そして何やらニヤニヤしたような表情をしていたが、それを必死に我慢していて変な顔になっていた。
それが面白くて、私はもう一言言ってやった。
「………かっこよかった。そう思った。悪いか。」
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早苗くん - 36話めっちゃすきです。｢海を渡る鴎に相応しい、海の男の音が響き渡る。｣のところカッコよすぎです。 (6月10日 12時) (
レス) @page36 id: 5215e79380 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - あぽ様です。さん» ですよね！わかってるんですよ｢現実的じゃないなぁ｣｢ちょっとキャラ崩壊かなぁ｣とは！しかし！私の解釈で書いてまいりますので！応援してくださる方はそのままで、ダメな方はゆっくり回れ右をして頂く！これが葵坂流でございます！コメントありがとうございました！ (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ぺpopo。さん» ありがとうございます！！え、後味スッキリでした？！そう思っていただけたなら作者冥利に着きます！！夢主の性格は、作者どうしてもThe.女の子っていう子が書けない中でどうやって恋愛小説っぽい子を書くか思案した結果あぁなりました！これからもよろしく願いします！ (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» たくさんのコメントありがとうございまする！やはりあそこですか！！作者も結構頑張ってキュンを追求したのですけど、やっぱり展開が早すぎたかなぁと反省しておりました。そんなところにFLOWER様のコメントを頂きまして、大変心がほっとしております！次も乞うご期待！ (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
あぽ様です。 - 告白現場に居合わせる、ひどい振り方とか夢あるあるだね (2023年5月3日 0時) (レス) @page3 id: a540b2ed94 (このIDを非表示/違反報告)
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