ツンデレ35 ページ35
「疾く帰りますよ。またマフィアに遭ッたら大変ですからね」
「私は別に良いんだけどなぁ…」
荷物を持ち直して歩き出す。
あー、腕が痛い。
「ボクと一緒は厭ですか?」
「ん?厭じゃ無いよ?もう少し優しくして貰えたら嬉しいけどね」
苦笑し乍云う。
まぁ“はぁ?”なんてキレられるかなぁって思ったら、何故か、頭に手が乗せられた。
「……」
「…たにざき、くん?」
私よりも背の高い彼を見上げる。
高身長ふぁっきゅー。
は?え?は?待って?私今夢見てる?真逆起きたら家とか無いよね?遅刻?ん?真逆?起きろ起きろ起きろ起きろ夢なら起きろ私
??????????んんんんん????
「……黙ッて下さい」
お互い立ち止まって顔を見合わせる。
見合わせる?私は見上げてる。見下ろされてる。うん、オーケー。
「存外ふわふわですね。貴女の髪」
「エッ、アッ、アリガトウ」
楽しそうに撫でる谷崎君。
私は未だ混乱してる。
気付けば谷崎君が皆に向ける様な笑顔を見せていた。
「……こんな顔して笑ってたんだ」
思わず呟くと、谷崎君は顔を真っ赤にして私から離れた。
嗚呼、残念。もうデレる時間は終わりみたいだ。
「…何ですか」
「んーん、帰ろうか。荷物持つよ?」
「良いです。ボクもそんなに貧弱じゃないですから」
拗ねた様な顔。
此は探偵社に居ても見た事が無い。
若しかしたら見た事があるのは私とナオミちゃんだけでは無いだろうか。
少しだけ嬉しかった。
皆が知る谷崎君を知らない代わりに、皆が知らない谷崎君を知る事が出来た気がした。
「ねぇ谷崎君」
「はい?」
「楽しい?」
無言だった。
然し、何故か今回の無言は余り苦では無かった。
何だか、銀ちゃんと居る時のような安心感。
私達は、隣で歩いた。
時々話しつつ。いつもの様な会話だけど、いつもとは少し違った。
少しだけ、打ち解けられたかな。
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『楽しいに決まッてるじゃないですか。莫迦ですね』
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かりんとう(プロフ) - あ、あ、あんこおおおおおおおお!!!読んでる途中だけどコメントするわ。ツンデレ26の中也が可愛すぎてニヤニヤとまらんのだが助けて!!?!?((しらん (2019年12月18日 19時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» わわわっ!嬉しい!!!是非是非呼んでー!!! (2017年4月28日 22時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - ありがとう…!あんこって、呼んでもいいかな? (2017年4月28日 20時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» イドさんですね!了解しました!ではお言葉に甘えてこれからはタメで話させて貰いますね!私もタメ大歓迎なので是非お気軽に呼んでやって下さい!! (2017年4月28日 0時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - あんこさん» 本当ですか!嬉しい…!!文ストを語れるお友達が…ついに…!!!!私のことは気軽にタメ口でどうぞ!あ、ハンドルネームは『イド=エス』と読みます。イドとお呼びください! (2017年4月27日 21時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
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