ツンデレ26 ページ26
「中也君の車格好良いねぇ…」
「高かったしな」
うん。確かにこの車高そう。中もお洒落だし。
助手席でキョロキョロ落ち着きなく外だったり後部座席だったりを見た。
高級な車に乗って見る景色はいつもと余り変わらない。
「…私も免許取ろうかなぁ」
外を見乍呟く。
探偵社へは徒歩で20分程の所にある為、車は要らないと判断したが、こうして車に乗っていると免許が欲しくなる。
独歩君とか谷崎君とかは既に免許取得済で、何度か外回りについて行く時に乗った。
二人共安全運転だったよ。
「駄目だ」
「何で?」
「女は取らなくて良いンだ。特に手前みてェな危なっかしい落ち着きないデブはよ」
「デブって何よチビ」
あ、怒った。
運転中の為一回殴られる位で済んだ。やったね。
厭待って良くない。私女なのに男に殴られた。え、何も良くなかった。
「私一応平均よりは下なんだけどな」
ぽつりと呟くと吹き出された。
失礼な。
「手前は俺の隣でそうやって坐ってりゃあ良いンだよ。そのでかい図体は俺が何時でも運んで遣る」
「私の事でかいって云うの中也君位だからね」
“ごめんねー、数センチだけど高くてー?”巫山戯て云えばミシミシとハンドルが音を立て出したから黙る事にした。
後で直ぐ逃げなきゃ。
「……良いンだよ、俺はチビで」
「ん?」
「手前の顔を他のデカブツ共より近くで見れる」
赤信号に差し掛かる。
止まると同時に、近距離で中也君が私の顔を見詰める。
中也君も中々にイケメンだし、黙って居れば格好良い。そんな人に見詰められたら顔もそりゃあ赤くなる訳で。
「え、っと…?」
「…あ、面皰(にきび)見っけ」
「……………………ほんと黙って呉れる?」
気にしてた所見られた。
メイクもう少し濃くして遣ろ……。
「ほらな?他の奴より、手前を知れる」
「こんなのは知らなくて良いの。乙女心が判らない人だね。あ、青になった」
「あいよ」
フッと微笑んだ顔が離れ、何時もの顔になる。
道行く人を眺め、自分の顔を車の鏡で見ると、少しだけ隠れていない面皰と、真っ赤な顔が見えた。
中也君の莫迦。
「…………絶対誰にも云わないでよね」
「当たり前だ。不細工が更に不細工だとバレたく無ぇもんなぁ?」
「よし今度フライパンで殴る」
「返り討ちにして遣らぁ」
(俺の隣で俺だけ見て呉れりゃあ良いのによ)
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かりんとう(プロフ) - あ、あ、あんこおおおおおおおお!!!読んでる途中だけどコメントするわ。ツンデレ26の中也が可愛すぎてニヤニヤとまらんのだが助けて!!?!?((しらん (2019年12月18日 19時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» わわわっ!嬉しい!!!是非是非呼んでー!!! (2017年4月28日 22時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - ありがとう…!あんこって、呼んでもいいかな? (2017年4月28日 20時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» イドさんですね!了解しました!ではお言葉に甘えてこれからはタメで話させて貰いますね!私もタメ大歓迎なので是非お気軽に呼んでやって下さい!! (2017年4月28日 0時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - あんこさん» 本当ですか!嬉しい…!!文ストを語れるお友達が…ついに…!!!!私のことは気軽にタメ口でどうぞ!あ、ハンドルネームは『イド=エス』と読みます。イドとお呼びください! (2017年4月27日 21時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
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