参拾ノ咄 ページ30
「あら、今日は負けてしまいましたわねぇ」
「また僕の日課が取られては困りますからね」
休日も終わり、月曜の朝。
僕は苦笑し乍花瓶を置く。
ナオミは楽しそうにクスクスと笑っている。
「…何です?」
「いえ、只、此のまま平和が続けば良いなと、そう思っただけですわ。三組織異能力戦争だ何て大層な物が勃発し、いつ私達が避難しなくてはいけなくなるか判らない。その間は学校にも行けませんの」
「…はい」
「そして三組織異能力戦争で、誰が今回狙われているとお思い?」
誰が、狙われている…?
そりゃあ勿論、最年少幹部で可笑しい先輩の彼の人だろう。
「太宰さん、ですよね?」
「はぁ?」
間抜けな声を出された。
何を云っているのだ、此奴は。という目でナオミに見られ、僕のSAN値はボロボロになりました酷い。
「貴方に決まっているでしょう。莫迦ですの?」
「えっ、僕?」
“当然です”と云われても、僕には何が何だか判らない。
「貴方は類稀に見る、他の異能力の強化など、サポートに特化した異能です。欲しいに決まっておりますわ。そして貴方自身も、皆様に人気があるではありませんの。当然の事です」
「いやいやいや、えっ?」
困惑する。
太宰さんではなくて、僕?
えっ?僕なんですか?
「つい先日、探偵社に組合の方が来られて、会社を買いたいと云い出しましたの」
驚く。
僕はそんな事全く知らなかったから。
「其と同時に、会社を買うと云った時以上の金額をもって、彼は貴方が欲しいとおっしゃいました」
「……はっ?」
「本当に何をしたんですの?貴方」
「厭ぁ…特になにも…」
今、若しも誰かが僕の頭を覗くとすると、一言で云うなら混沌、だろうか。
凄まじい疑問符が頭駆け巡る。
「マフィアだけじゃなく、組合まで…」
迷惑過ぎる…。
そう思い乍、僕は項垂れた。
そんな僕が組合の方に会う迄、残り数時間。
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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