弐拾参ノ咄 ページ23
「怜さん」
「あっ、はい！」
今日は、探偵社でバイトする日。
毎回の如く、向かう先が同じな為ナオミと探偵社へ向かう。
皆に仕事内容を聞かれる事もしばしばだったが、何とか慣れた。
書類仕事が主だと答えたら、何を思ったか機密書類か何かは無いのかと問われた。
学生で新人事務員にそんな機密事項を負わせる筈が無いでしょう。
「行きますわよ！」
「待って下さい！」
「うふふっ、今日は私と兄様は外回りのお仕事ですので怜さんは中で書類仕事ですわね」
「げっ、太宰さんと一緒かぁ…」
あの人僕に仕事押し付けようとするしかと思えば沢山邪魔されるし…。
迷惑極まりないですよ、全く！
でもちゃんと頼めばやって呉れますし、未だ良い、のかな…？
「そうだ！」
突然声を上げたナオミに驚く。
「あのドレス姿、感想を皆様にお聞きしたいの。私達が帰る迄に皆様に見せておいて下さいまし！」
キラキラした瞳で云われたその死刑宣告に、僕は慌てて厭だと答える。
「あら、駄目ですわ？私だけ知っているのは平等ではありませんもの」
にっこりと微笑みかけられ、僕はぐうの音も出ない。
やっと絞り出したのは、
「仕方無いですね！」
ヤケクソになった僕の言葉だった。
「うふふ、流石ですわ」
クスリ。
楽しそうに笑う彼女の顔を見たら、其も悪くないなと思えてしまって。
嗚呼、僕はつくづく彼女に甘いと思った。
「はぁ…行きますか…」
「ええ！」
其から又静かに歩いていたら、とんでもない爆弾を落とされた。
「何時になったら、学校でも名前を呼んで頂けるんですの？」
「…え？」
「だって！いつも彼女としか云わないではないですの！私はちゃんと名前を呼んでいるというのに！明日から呼んで下さらないと太宰さんに頼んでお仕事増やして貰いますわよ！」
「ええええそんな理不尽な！」
わーわーぎゃーぎゃーと騒ぎ乍、僕とナオミは探偵社へ向かった。
扉を開く。
「「只今帰りました！」」
ハモった。
つん、とそっぽを向くナオミ。
僕は、何故か判らないけれど思わず吹き出してしまった。
そんな僕につられてか、ちらりと僕を見た後、ナオミもクスクス笑い出す。
そんな莫迦げた事が、少し楽しいな、何て感じたり。
絶対に云わないけれど。
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (
レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー！ありがとー！！夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ！やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね！ (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました！最高に面白かったです！！これからも頑張って下さい！ (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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