拾仇ノ咄 ページ19
「あの〜」
「何だい?怜君」
「何故またしても僕は此処に…」
中島先輩と別れた後、家に帰ろうと思ったら何故か誘拐(?)されました。
マフィアらしく動いてるの初めて見た。
「エリスちゃんが遊びたいと駄々をこねているものでねぇ」
「そういうこった。とっととエリス嬢の所に行くぞ、怜」
「さらっと呼び捨てですか」
中原さんだったかな?
その人に呼ばれて、むすっとしながら振り向く。
「僕帰りたいんですけど」
「其は駄目だよ!エリスちゃんが泣いてしまう!」
「えぇ…そんな事云われましても…」
とは云ってもどちらにしろ逃げられないし僕には選択肢が無い事に気が付いた。
僕は溜息を吐いて、呟いた。
「判りましたよ…」
「うん、良い子だ!では行こうか!」
腕を取られる。
中原さんはニヤニヤしながらついて来る。
………仕事は?
あ、今してるのか。
「着せ替え人形にだけはしないで下さいよ」
「如何だろうねぇ?」
厭な予感しかしない。
───────────
───────
「きゃー!可愛い!!」
その通りになりましたはい。
「は、はは…もう…良いや…」
「怜!次は此を着てみて!私一生懸命選んだの!」
「判りました」
今僕はかなり死んだ顔をしているんだろうな。
そう思いつつ、立ち上がる。
今着せられている服は、簡単に云えばメイド服ですよ畜生!
スカァトが長いのが唯一の救いです…。
もう…凄く疲れました……。
「此と、此の組み合わせよ!絶対に間違えないでね?」
「はい、気を付けますね」
ゆらゆら揺れるスカァトが、僕の足を撫でる。
擽ったいなぁと思いつつ、僕はゆっくり部屋を出た。
「お疲れさん」
後ろから不意に声が掛けられる。
立原さんだ。
彼とは、仲良くなれそうな気がした。
歳が近い方だからかな?
「有難う御座います。次で何着目ですかね…」
「あー、確か十三着目?」
「嗚呼…僕の何かがやられていく…」
「まぁまぁ…。あ、手伝うか?」
「お願いします…」
後ろのチャックに手間取っていたら、手伝って下さった。
鬘も付けて貰った。
手慣れてる…!
「なぁ」
「はい?」
「お前は、俺が守ってやるからな」
思わず笑ってしまった。
「僕、そんなに弱くは無いですよ?
でも
有難う御座います」
にこりと笑って、僕は云った。
其を見た立原さんが顔を赤くしていたのを、僕は知らない。
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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