拾壱ノ咄 ページ11
「ん?と云う事は中也に会ったの?君」
「ええ。マフィアで無ければ良い方だと思います。人としては好きですよ」
膝から崩れ落ちていた。
僕は何か悪い事を云ったのだろうか。
「あっ、じゃあ僕は?」
「中島さんも仲良くしたいですよ?」
彼が荒ぶる所を僕は初めて見ました。
「君きみぃ!僕は如何だい?」
「え…別に嫌いではありませんが…?」
「うんうん!見る目があるじゃないか!…けど、あんまり無理をし過ぎちゃいけないよ?」
「!其は…如何云う」
「自覚無し〜?」
「……」
流石は名探偵。
僕とは気配も何もかもが違いますね。
「あのぉ〜、話が逸れてますわ?」
ナオミの一言でハッと我に帰る皆様。
忘れてて良かったのに。
「……ふむ。然し、異能持ちとなると話は別だ。三社の戦争も確かに今は危険な状態だ。君が死にたいのなら別だけれど、探偵社に居た方が良いね?」
「…何故医師はマフィアに入れなかったのでしょう」
「社長の異能は『人上人不造』貴様が社員となったら異能を操れるからな」
「そう。そして、異能の正体が判った上で君を奪うと云われたのだろう?」
何故そうまでして僕が……
「僕は人殺しなんてしたくないのに…」
………でも。
「家族を守れるのならあるいは…」
「やめておき給え」
冷たい声が降り掛かる。
太宰さんだ。
…そう云えば太宰さんがマフィアを抜けた理由って…
「でも!叔父達は現に殺されかけたんです!助けられるなら僕は餌にでも何にでもなる!」
「怜君。君に良い事を教えてあげよう」
一度閉じていた瞼を開けると目の前に、息が詰まりそうになる程に冷たい瞳をした太宰さんが居た。
「マフィアはね。裏切り者を見つけたら、問答無用でその場で殺すのだよ。家族にすら会わせない。君なら、その意味が判るよね?」
……何て恐ろしい事だろう。
「森医師は、最初から僕を探偵社に入れる心算で…?」
「御名答。だからこそマフィアの拠点を記した紙を叔父さんに渡していたのでは無いかと思うよ?…それで、君は其も踏まえて如何する?」
勿論、答えは一つだけ。
「僕が役に立てるなら、探偵社に入りたいです」
「良い目だ」
低音だが、決して不愉快にはならない声がした。
社長さんだ。
「話は概ね聞いていた。そして、貴君の魂の真贋、確かと受け取った」
「えと…じゃあ…」
「早く許可を頂いて来るが良い。仕事は其からだ」
「っ、はい!」
どうやら合格したらしい。
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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