翌日 ページ36
NO side
翌日、高野は自らが言った通り、学校に来なかった。
学校の高野の机の上には、花瓶に花が生けてあり、それを見た姫名と雁夜。
そして、その後すぐに教室に入ってきた真昼達。
花瓶を片付けようとする姫名と真昼を止めて、雁夜が花瓶を手に取った。
そして、そのまま勢いよく床に叩きつけた。
ガチャァンッ!
耳障りな音が辺りに響く。
辺りには破片と花、そして、血のように広がった水だけが残った。
破片を一つ手に取り、黒板の前に立った。
そして、黒板を引っ掻いた。
クラスメイト達は耳を塞ぎ、雁夜は呟く。
雁夜の手から血が滴り落ちた。
「ふざけんな」
静かに、威圧するようにつぶやいた。
緋い目が肉食獣のように光って空を見つめる。
放っておけば、誰かの首筋を噛みちぎってしまいそうだ。
「誰がやった、なんて聞かない。
ただ、自分が愚かだということに気付け」
その時、騒ぎを聞いた教師が教室に入った。
「おいどうした！？って雁夜！お前またか！」
雁夜の手を掴み、力を込めた教師。
彼女は静かに一言いった。
「うるさい、黙れ」
その一言で教師は動きを止め、その場に崩れ落ちた。
雁夜は変わらずその場に立つだけだった。
そして、彼女は叫んだ。
「うるさいうるさいうるさいうるさい！黙れ！
なんでAは愛されないんだよ！
いつもいつもいつも！Aは悪役だ！
やってもない罪を何度も被せられても笑ってるけど、本当は辛いんだ！
死にたいって言って何度もイヤホンで首吊りを試してた！
ビルの上に立って、でも、足がすくんで何度も飛び降りを諦めた！
誰も助けない！
Aは一番苦しい時に私を助けてくれた！
見捨てないでくれた！
手を差し伸べてくれた！
友達だって言ってくれたんだ！
泣いてても黙って側にいてくれた！
それだけで私は幸せだった！
ただ…っ、私達は中二の時みたいに笑って過ごしたかっただけなのに！
なんで…救いを求めても何も変わらないの…。
私達自身が変わっても…何も…なんで…」
声が反響して、静かに消える。
その時、誰かのスマホが震えて、電話に出た。
その際にスピーカーを押してしまったのか、声が大音量で教室に響いた。
「あははははははははははははっ！」
くぐもった声だった。
「あははははっ、はー…あはははは！」
声は変わらず笑い続ける。
恐怖心を掻き立てるように。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年5月13日 17時
