第２８話 ページ30
ケイジは黙ったままだ
「･･･た･･･確かにそれは･･･」
「そうですね、私もずっと疑問に思っていました。なぜ、一番適任である警察の方が自薦しないのか･･･と」
「まぁ、そう思われるよね」
「オレだって命を預けるんだったら少しでも信頼できるヤツがいいんだ。自分以外ならケイジ･･･お前さんしかいねーぜよ」
さっきまで散々喋っていたのに突然何も話さなくなってしまった
「ケイジさん･･･どうしたんだ･･･？」
「本当だよ、黙ってちゃ俺ら分かんねぇよ」
「･･･拒むなら理由が知りたいですね。このままでは今後にも影響します。このままでは話し合いは終わりませんよ」
何を言っても硬く口を閉ざしたままのケイジに何とかして話を聞きださなくてはならない
「なんでそこまで黙るんだ？」
視線も合わせずにただ黙っているだけだ
「ケイジ･･･答えろ！！！！」
「うおっ」
流石に大声には驚いたようで声を出してくれた
「こっちだって真剣なんだよ！黙っていれば何とかなると思ってるなら大間違いだからな！」
驚いて目を見開いていたが、次第に目を細めた
「･･･ふふっ、はっはっは！キミは俺の父ちゃんか？はっはっは！」
未だにクククッと笑っている。これは一発殴らないとダメか？
拳を握りしめて殴りかかると簡単に左手で止められてしまった
「こらこら、おまわりさんにそんなことしていいの？」
「俺が真面目に説得しようとしてるのに笑い飛ばすからだろうーが！ぶっ飛ばすぞ」
「ごめんごめん。あー笑った･･･そうだな、説明させてもらうよ」
威嚇した猫のようにフーッっと荒んでいる俺をジョーが止めながら、ケイジは本題に入った
「･･･オレは人を撃ってしまったんだ。それ以来･･･銃が撃てなくなっちまった」
「･･･は？」
予想外の事実だった。人を撃った？
「情けないもんだね。その覚悟があったから刑事になったはずなのに」
「そんなことになればニュースになるもんじゃねぇの？」
「表に出る物だけが真実じゃないさ」
表に出る物だけが真実じゃない
そんなこと俺が一番知ってる。だって――
「･･･そん話が本当かじゃ？」
「･･･ああ」
「･･･仕事でだよな？撃たれたヤツは･･･死んだのか･･･？」
ケイジは黙ったまま何も答えない
「要するにトラウマってことだろ？掘り下げても良いことなんてねぇよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮花(プロフ) - 腐ころさん» コメントありがとうございます。名前は入力してもしなくても作品自体は読めるので気にしていなかったのですが･･･。書いた方がいいですかね、気を付けます。 (2020年2月7日 14時) (
レス) id: 7073e93aa0 (このIDを非表示/違反報告)
腐ころ(プロフ) - すみません。おこがましいのですが、名前は固定と書いた方がよろしいのではないでしょうか？ですが物語としてはとても良いので頑張って下さいね！上から目線ですみません（´･ω･｀） (2020年2月6日 21時) (レス) id: 12e607f7fa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - ツキミさん» ありがとうございます。最初書いていたときはとんでもない奴でしたね。自分でも笑いました (2019年6月5日 15時) (レス) id: 45ac89d462 (このIDを非表示/違反報告)
ツキミ(プロフ) - モカを見捨てる主人公ww笑ってしまいました……すみません……。更新頑張ってください！応援してます。 (2019年6月4日 19時) (レス) id: fe6749e978 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年3月9日 14時
