利害一致の臨時マネ 2【青葉城西】

77.芯 ページ30

Aside


次の日も、その次の日も、そして今日も、いつも通り、マネの仕事をした…

いつも通り、ご飯を作って、風呂洗って、洗濯して、洗濯物畳んで…


それでも、やっぱり誰も迎えにこなかった…


多分、みんな待っててくれてるんだ…


私が話を切り出すのを…


だったら、私からミーティングルームに行くしかないじゃない…


ガチャ…


開けた扉の先…

みんながいた…

今日、話すとも一言も言ってないのに、みんなが部屋で待っててくれた…


岩泉「…A、待ってたぞ」


入口のすぐ側…

岩泉が、優しく声をかけてくれた…

招かれるまま、いつもの定位置に座る…


孤爪「…A、話してくれるの？」


不思議なんだが、みんなこんな事聞いて楽しいんだろうか？


私なら聞きたくないけど…


A「…話してもいいけど、今から言うのは完全に悪口…聞いても得なことなんてないよ？むしろ聞かない方がいい…特に烏野…1番嫌な思いさせるかもしれないから、聞きたくなかったら聞かなくていい…」


田北達と同じ学校…

特に東峰は同じクラスなら聞きたくないことも多いだろう…

潔子ちゃんだって仲のいい友達かもしれない…

澤村、菅原だって3年間一緒に暮らしてた人の悪口言われるのに良い気はしないだろう…

2年生、1年生だって、この先関わることだってあるかもしれない…

気まずくなるだけでしょ


澤村「俺たちは大丈夫だ…聞く覚悟は出来てるし、葉山の話を聞いて、田北を露骨に嫌うとか、避けるとかはしない」


誰も席を立とうとはしない…


A「…そっかw」


…澤村達は私が思ってるより強かった

…強い人だった

権力とか、立場とか…

そういうんじゃなくて、心が強い人…

芯が通ってる人だった…


A「私達はね、県大会1位、地方大会1位通過で、全国大会優勝候補って言われてたんだ…松川は覚えてるよね？」

松川「あぁ…覚えてるよ」


深く1つ頷く…


松川「白鳥沢中に県大会で負けた俺は、全校生徒自由参加のバスケの全国大会を見に行った」


全国大会優勝候補…

その名に相応しく、地方大会は2位のところに、100点ゲームをして優勝した…

地方大会上位2校、東京は3校出場枠がある…

私たちの初戦は、当たりクジで、その年不作と言われてた東京第3位と…

…勝てる試合だった

…誰もがそう信じてた



ピーッ！！


前半戦は12点差でリードして終了した…


3ピリオド目

開始3分半…

マッチアップは8番…


…思わぬ事故が起こった

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