利害一致の臨時マネ 2【青葉城西】

66.絶対 ページ19

花巻side


松川「悪ぃ…遅くなった」


遅れて体育館に入ってきた松川


及川「Aちゃんは？」


あんなに余裕そうに、松川によろしくって言ってたくせに、体育館に戻ってきてからずっとソワソワしてた及川…


松川「部屋に寝かせてきた」

及川「そっか…大丈夫そう？」

松川「おぉ…寝てるだけだし」


少し安心したような顔の及川…

仲間のことになるとコイツすっげぇ心配するよなぁ…


花巻「監督にはとりあえず伝えといたぞ！ついでにAの分は、他のマネちゃん達がやってくれるってよ！」

松川「…そっか…サンキュ花巻」

花巻「おう！」


松川も少し安心したようだ…


その後はいつもより少し軽い練習…

烏野の武田先生の手伝いもあって、他のマネちゃん達も上手くマネ業を回せたようだ…


夜ご飯も普通に美味い…

いつもと変わらない合宿の晩御飯…

青城メンバーで固まって食べる…

…まぁすぐ近くに他校もいるけど


国見「…あの、松川さん」

松川「ん？どうした？国見」

国見「…葉山先輩のこと、聞いてもいいですか？」


…国見の一言で、少し騒がしかった食堂がシーンッと静まり返る


松川「…俺から話せることは何も無いよ」


少し怒気がある松川の声…


国見「…俺も葉山先輩のこと、傷つけたくないんです。何があったか教えてくれませんか？」


お願いしますと頭を下げる国見…


及川「…まっつん、俺も聞きたい」


及川…


黒尾「俺も」

木兎「オレも」


及川に続くように、黒尾、木兎も頭を下げる…


花巻「…松川、俺も聞きたい」


俺もAのこと、知りたい…


松川「…はぁ…」


そっと、持ってた箸を置く松川…


松川「…お前らさ？…『絶対に裏切らない』って約束、出来る？」

及川「えっ？」

松川「俺は無理」


そう言いきって口を閉ざす松川…


花巻「松川？」

松川「…花巻は出来る？」

花巻「俺！？」


やべぇ…

火の粉飛んできたよ…


花巻「…俺も無理だわ…大体、絶対なんて保証どこにもねーじゃんって思う」

松川「…だよなぁ…Aはさ？田北達とそういう約束してたんだよ…バスケ部キツくて辞めるやつどんどん出てきて…でも、A含めて4人はなにがあっても最後まで辞めなかった」


重々しく口を開く松川…


松川「辞めたくなった奴がいたら、その度に励ましあって…『最後まで一緒に頑張ろう』って…『全国優勝しよ！』って…『仲間なんだから』って…そうやって最後の大会まで4人で頑張ってたんだよ…」

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