あの音を掴んで。【ヘタリア】

40曲目。 ページ49

A視点



















米「アーサーは？アーサーが来ないんだぞ…」

アルがポツリと呟いた言葉。それはその場にいる全員の思いだった。






中「来ねぇあるな…」


北伊「そんな…でも、アーサーがいなきゃ合奏は…！」





普「合奏は成立しないぜ…？」












『あと10分だけ、待ってみない…？』

そう言ってみたものの、今は8時10分。集合時間である8時からは10分オーバーしている。




つまり、10分後は8時20分。今ですらオーバーしているのだ。

待ちたいのは待ちたい。でもそれ以上待ったら…。



















ー10分後ー






約束通りの10分が過ぎた。


















それでも、学園に訪れる生徒の姿は…、

なかった。







仏「来ないなんてそんな…」


『でも、もう時間が…』









西「行くしかない、ちゅう訳か…」

待ちたい、その思いはその場の全員が一緒だった。





でも、そろそろ行かなければならない。
その思いも全員共通だった。







澳「そろそろホールに行かないとですね…」

洪「全員揃ってないけれど…」








米「嫌だ…！俺はアーサーと、全員と一緒に演奏したいんだ。俺は待つ…」


加「気持ちは分かるけど…、僕だって全員で演奏したいですっ！僕はアーサーさんにmerciの一言を言いたい…！」










2人がいう気持ちもよく分かるけど、甘々なだけじゃダメだ。時には心を鬼にしなければ。



『行くよ、時間がないの』











露「Aちゃんの言う通りだね…」





学園内に現れる人影が無いのか、それを全員が期待した。

しかし、現実は甘くない。







それぞれがそれぞれの思いを抱えながらリハーサルの会場である、ホールに向かった。

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