あの音を掴んで。【ヘタリア】

30曲目。 ページ38

No side







アントーニョがフランシスに退部届を突きつけた翌日。







　










アントーニョを除く16人は音楽室に集まっていた。

もちろん部活をする為、なのだが…











机に置かれた、アントーニョの氏名が書かれている退部届を中心にそれを見つめ、












Aが、フェリシアーノが、ロヴィーノが、ルートヴィッヒが、エリザベータが、ローデリヒが、バッシュが、菊が、耀が、アーサーが、アルフレッドが、マシューが、イヴァンが、ライナが、






ギルベルトが、フランシスが。












それぞれが難しい顔をした。



















・



















普「どういう、ことだ…」

最初に口を開いたのはギルベルト。





フランシス、ギルベルト、アントーニョの3人は学年こそは違うが、苦楽を共にしてきた幼馴染である。

彼からしたから、自分に音楽の楽しさを思い出させてくれたアントーニョの退部届を見るのが辛かったのだろう。



















南伊「おかしい…おかしすぎるぞ、ちくしょー…アントーニョ“らしく”なさ過ぎる」



ロヴィーノからしても、信じられない。





ギルベルト同様、彼が吹部に入るきっかけとなったのは双子の弟・フェリシアーノに誘われたのもあるが、兄的存在のアントーニョに誘われたからだ。



















北伊「ねえ、これを渡した時のトーニョ兄ちゃんの顔、見えた？」



仏「見えたっちゃ、見えた。いかにも“辞めたくない”、“部活を続けたい”って顔だった」













瑞「ならば、その気持ちを思い出させてやれば良い。顔には出てるとはいえ、自覚が無いのだろうな」





中「このタイミングで抜けられるのは少し困るあるな…」










日「何とかして戻っていただけないでしょうか…」



英「もう、戻って来ないかもしれない奴に時間を掛ける必要なんてあるのか？」







米「アーサー、その言い方は無いんじゃないかい？」


加「アーサーさんの言うことも、皆さんの言うことも一理ありますけど…」








英「じゃあ、どうしろって言うんだよ⁉リハーサルまで時間が無いのに、時間を割けって？俺には無理だ」



















アーサーの言うことにも、それぞれの言うことにも、


共通する考えは“戻ってきて欲しい”








独「戻ってきて欲しい、という考えは皆同じだ」





仏「結局、俺たちに出来るのは“待つ”だけ、か…」









『練習、しましょう。大切な人に届ける音楽を』

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