29曲目。 ページ37
ロヴィーノ視点
イヴァンの姉はそのまま入部した。打楽器担当になったらしい。
変わらず、アントーニョは部活に来ない。声を掛けても、力無く笑うだけ。
太陽みたいな笑顔が見たい、テナーサックスの席だけがポッカリと空いている。
俺に何が出来る?
A視点
人数が揃わないまま月日だけが過ぎていく。でも、私達が今すべきことは音を奏でることだから。
いい曲なんだよ、これ。
作曲者の人が自分の近くに居ない大事な人に届けるために作った曲なんだって。
日「皆さん、上達しましたね」
洪「ここまでとは思わなかったわ。入ったばかりの時」
『音楽は人と人を繋ぐ、不思議な力があるんです。私達の大切な人に届ける音楽を創りましょう?』
『コンテストまで、あと3週間。来週はリハーサルを行います。もう、後戻りは出来ないですから』
・
・
フランシス視点
今日は早めに部活を抜け、最近部活に顔を出さないアントーニョの姿を探す。
仏「アントーニョ、部活来ないで何してるんだよ…」
俺の呟きに答える者はいない…、
西「勉強やけど」
はずだった。
仏「勉強、か…顔が硬くなってるよ。ねえ、部活休んでまで、勉強しなくても…」
“勉強しなくてもいい”そう言おうと思った瞬間、アントーニョが廊下の壁を強く叩いた。
西「お前に俺の何が分かるん⁉俺は俺やろ。
部活を始めてから成績は右肩下がり。親にも怒られて、考えてる進路を歩めなくなりそうな俺の気持ちなんか、お前には分からん…!」
仏「そこまで思い詰める必要ない…」
西「もう、昔の俺には戻れへん…ごめんな。ほな、これ」ホイッ
紙切れを投げてきた。反射的に利き手で受け取る。
仏「お、おい、これ…」
驚いたのも無理はない。その紙切れには大きく、
と、あったのだから。
仏「どういう事だよ…、おい!」
西「そのままの意味や。皆によろしく伝えたって。特に、あの子…部長さんに、な」
追いかける事も、止める事も出来ず、その場に立ち尽くすだけ。
情けない。こんな簡単な事で音楽を失わせたくない。
何をすれば…誰が、教えてよ。
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はる@四季 - すいしぇーさん» ありがとう! (2022年10月16日 13時) (レス) id: 17e09ea40f (このIDを非表示/違反報告)
すいしぇー(プロフ) - はるちゃん〜!!おめでとう(*´꒳`*)私も吹部だから、すっごい共感できる大好きな作品だよ…!続編待ってるね☆ (2022年10月16日 7時) (レス) @page50 id: 7b108f9ac6 (このIDを非表示/違反報告)
モブキャラA - はる@四季さん» この名前で葡さんの『あおときみどり。』ってやつ書いてます……!! (2022年10月14日 23時) (レス) @page48 id: cebb1c38ee (このIDを非表示/違反報告)
はる@四季 - モブキャラAさん» どんな作品書いてるんですか?是非教えてください! (2022年10月13日 21時) (レス) id: 17e09ea40f (このIDを非表示/違反報告)
モブキャラA - はる@四季さん» 続編……!!楽しみにしてます(っ ॑꒳ ॑c) (2022年10月13日 21時) (レス) id: cebb1c38ee (このIDを非表示/違反報告)
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