悪役と当て馬 【おそ松さん】

いちわ ページ3

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「ねぇ、見てよ。またイチャイチャしてる」



教室の隅で喋っていると、友達が私の制服の袖を軽く引っ張った。
そして教室の前で仲睦まじく喋っているとある二人に視線を投げかけながら、そんなことを言ってきた。




そこで喋っているのは学年一のイケメンで人気な中野智樹と、学年一可愛くて人気な宮野渚だ。





「うっざ、なにアレ。宮野渚。皆の智樹君に手ぇだしてさ」





ギロリと射貫くような視線で二人を見る友人に私は「そうだね」と同調した。



私的に智樹君は結構どうでもいい存在なのだが、それを言ってもシラケること確定なのでそれは黙っておく。





「...ねぇ、A。今日さ、アイツ懲らしめない？」

「…そうだねぇ。うん、それがいいと思う」





ニヤリと笑みを浮かべる友人。私も同じような表情をつくり笑ってみる。

その話を小耳にはさんだ女子数人が、自分たちも宮野渚に物申したいと言ってきたので。皆で一言言ってやろうということになった。






王道少女漫画の王道な悪役。
＿＿＿それが私。







悪戯に笑う彼女たち。そして、私。







「宮野さん、ちょっと話があるんだけど＿＿＿＿いい？」








私は、この物語の悪役。








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