僕らのはんぶん。 (ページ17)

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コイスルオトメ(緑) ページ17

あなたside

「神山先輩、好きです…！」

一目惚れやった。
ずっと好きで、
ストーカー並みに先輩にくっついて、
毎日、告白してた。

もう、日課になってしまった告白。

いつも、先輩の返事は、
「俺は好きやない」とか、
「はいはい、アリガトー(棒)」とかで、
ちゃんと受け止めてくれんかった。

まぁ、しげ先輩とか、桐山先輩とかが
居る前で告白してたんが悪いんやけど。

やけど、今日は違った。

「あー…
おれも、すきやで」

「ですよね、分かってます……え？」

本当に、小さい声やったけど、
しっかりうなづいて、
告白の返事をしてくれた。

のに、信じられへんくて、
聞き返してしまった。

「やから！
俺も好きやでっていうてんねん…」

顔を真っ赤にして伝えてくれる先輩。

あたしは嬉しすぎて、口が開いたまま。

「付き合ってください」

先輩からそう言われる日が来るなんて、
思いもせんかった。

「もちろんです…！
ふつつか者ですが、よろしくお願いします！」

「何改ってんねん(笑)
調子くるうんやけど」

そう言って、手を繋いでくれる先輩。

「ん。
帰るで、家まで送る」

初めて繋いだ先輩の手は、
あたしよりも震えてた。

恥ずかしいんか早足で歩く先輩。
もう少しイチャイチャしたかったんやけど…。

いつも、あたしが勝手に付きまとってただけやのに、家まで送ってくれてた。

その時は「家まで送る」なんて、言ってくれたことなかったのに。

本当に、先輩と恋人になれたんや…。
諦めんくてよかった。

「やっぱり先輩が運命の人やったんですね。
金髪のチャラい白馬の王子様が迎えにきてくれた…」

「ハイハイ。
何、恥ずかしいこと言うてんの？
一言余計やねんな(笑)
チャラいは要らんねん」

先輩は照れ屋さんやから、
そうやって聞き流すけど。

本当にあたしにとっては、
神山先輩が王子様なんですよ。