我妻善逸、ヨコハマに来た【鬼滅の刃】【文豪ストレイドッグス】

問３８:全てが分かった？ ページ37

【太宰治side】

包帯ぐるぐる巻きの男(太宰が言えない)の後ろに女性が居た。女性は出てくる。私の横に居た善逸君は顔を真っ青にして言う。


「か、かかか、仮に、男が鬼の大将だとして何で鬼じゃないんだよ…！」


ピクリ、包帯ぐるぐる巻きの男の目が動く。それに気づいていないのだろう。善逸君は私を盾にするようにして言う。


「と、隣りの綺麗な女性…いや、禰豆子ちゃんの方が綺麗で可愛いけど…まあ兎に角、隣りの女性は鬼だよ。可笑しいよ、鬼の大将なら何で鬼じゃないのさ！」
「ほう。相変わらず貴様の耳はいいらしいな。文書通りだ。それにさっき『禰豆子』と言ったか」


「そ、それがなんだよ！」善逸君はビビりながらも言った。


「その『禰豆子』は俺達の先祖だ」
「え、えぇぇぇえええぇ！？」


善逸君は反り返るほど驚いていた。それ迄に衝撃だったのだろう。


「と言っても、俺達は炭治郎の系譜だがな。俺は竈門(かまど)龍治郎(りゅうじろう)。異能力『鬼作(おにづく)り』で鬼の頂点になった者だ」
「…禪豆子です」


ぺこりと禪豆子と名乗った女性がお辞儀した。私は目を細める。嗚呼、全て分かってしまったような気がする。あくまで気がする、だけれど。


「なんで、なんで炭治郎の子孫が…こんなこと！！ 鬼を作るなんてしてるんだよ！！」
「それは簡単だ。この社会が要らないからだよ」


包帯が巻かれていてわからない。けれど、龍治郎の口元は笑っているように見えた。

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