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肆拾陸話 ページ9







「人工的に作り出したウイルスだ、感染力はやや低いが一度感染したら最後…潜伏期間や初期症状に個人差はあれ1週間もすれば全身の細胞がグズグズになって死に至る。
治療薬は1種のみの独自開発(オリジナル)でね、生憎とこちらにしか手持ちが無い」




薄手の長袖に裁縫用で使う針をプスプスと刺して先を糸でコーティングする。

念の為の麻酔針だしいざとなれば異能力を使える。でもそれは強行突破の時にしか使えない。
……私にはストッパー(太宰さん)がいるからね。




「渡すのが面倒だから…直接取りに来てくれないか?
山頂にホテルが見えるだろう、手土産はその袋の賞金首だ」




……山頂。つまりはポートマフィア(ウチ)の取引場所。
表情と顔色が変わったことに気づかれないように耳にかけていた髪の毛をかけ直してあくまで普通を装った。





「山頂の"普久間殿上ホテル"最上階まで1時間以内にその賞金首を持って来い」




最上階ってことは首領が居る部屋と本気で近い。確かかなり前から最上階は押さえられてたって話だからこっちも変に名前を出してまでそれを取る気にはならなかった。

ここ、監視カメラあるんだっけ。連絡通そうとしたら流石にバレるよね。
でも何とかしてでもこれは通達しなくちゃいけない。本来の予定ではこの教室の皆があのホテルに行く予定は無いんだから。




「動ける生徒の中で最も背が低い男女2人に持って来させろ。
フロントに話は通してある、素直に来れば賞金首と薬の交換はすぐに済む。だが外部と連絡を取ったり…1時間を少しでも遅れれば即座に治療薬は破壊する」




勘づいてはいない、って判断の方が正しいのかもしれない。外部との連絡の言葉の意味は烏間せんせいに向けられたと解釈した方がよく出来た話になる。

問題はまず電話口の人物が誰なのか、ってところだね。ポートマフィア(わたし)武装探偵社(太宰さん)のことを言ってないことから知らない可能性が極めて高い。


短く息を吐いた後にガンッ、と大きな音がすぐ近くで聞こえた。そっちの方へ目を向けると烏間せんせいがせんせいを机に向かって押さえつけていた。





「…………という訳だ」




それからすぐ、烏間せんせいは皆にその事を話した。

……絶望的すぎる。こっちの方があまりにも不利でどうしようも無い。

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たびのひと - はじめまして!とても面白いです!一日で全部読んじゃいました!更新待ってます! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 06a128996a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カノ | 作成日時:2020年1月12日 2時

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