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伍拾陸話 ページ20







「奇遇だね、2人とも同じ事考えてた」




だよね、そうだと思った。
私の見間違いじゃなければ赤羽くん、未使用のガス盗んでたもんね。

思い切り吸ったのか、何時ぞやの烏間せんせいみたいに足はガクガク。でもそれで倒れるほどヤワではなくて。ついにはナイフを懐から出し始めた。




「ぬぬぬううう!!」




赤羽くんは綺麗にその腕を受け流して上に乗り腕ごと捻り始めた。

うっわ、あれ…関節外れたんじゃない?まあ別にどうでもいいんだけど。




「ほら寺坂、早く早く。
ガムテと人数使わないとこんな化けモン勝てないって」




本人曰く、元よりその気だったらしい。

皆が上に乗りかかるのを見ながら太宰さんの外套を引っ張った。




「読めてたから拳銃(ソレ)、使わなかったんですか?」

「さぁ、どうだろうね。
君なら分かるはずだ、だって使わなかっただろう?」

「……。
私は割り切っただけですよ」




にっこりと笑って、皆の元に駆け寄り、ガムテープを使って縛るのを手伝った。





_____


無様な惨状、ってこういうことを言うのかな。
今までの威勢はなく、大人しく縛られたソレを見てそう思う。




「毒使いのおっさんが未使用だったのくすねたんだよ。使い捨てなのが勿体ない位、便利だね」

「何故だ…。俺のガス攻撃、おまえは読んでいたから吸わなかった。俺は素手しか見せてないのに何故…」




自分と同じ考えだったって言うなら想像はつくけど。きっと、多分、そうじゃない。




「とーぜんっしょ、素手以外(・・・・)の全部を警戒してたよ」




あんな状況でよくそんな判断が下せるよ。
私が同い年で何も知らない平和ボケしてる普通の女の子なら絶対に無理。




「あんたが素手の闘いをしたかったのは本トだろうけどこの状況じゃ、素手に固執し続けるようじゃプロじゃない。俺等をここで止めるためにどんな手段でも使うべきだし、俺でもそっちの立場ならそうしてる」




そう言って赤羽くんはあろう事か、ソレの前に座った。




「あんたのプロ意識を信じたんだよ、信じたから警戒してた」




……なんて言うか赤羽くん、全体的に成長した気がする。人間としても暗殺者としても。

前の期末テスト、それより前の中間テストも含め、せんせいはそういうことを言いたかったのかな。
なーんて、遅すぎるかもだけど。今になって分かった気がする。

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たびのひと - はじめまして!とても面白いです!一日で全部読んじゃいました!更新待ってます! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 06a128996a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カノ | 作成日時:2020年1月12日 2時

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