【黒子のバスケ】帰宅部の私がマネージャーになりました５【秀徳】

203個目 旅立ち ページ9

今日は部活が早く終わった
その理由は第一体育館が卒業式の為に使用されるからだ
床にはシートが敷かれ、パイプ椅子が綺麗に並んでいる
卒業生のために華やかに飾り付けられた体育館は嫌でも3年生との別れを実感させられる

実は私、先輩達の予行練習をたまたま見てしまった時に泣き出してしまい、緑間くん達にかなり心配をかけている
というか先輩達にまでその噂がまわりからかわれたのは最近の話




卒業式___

私達1年生は式には参加せず外で待機する
簡単な話体育館に全校生徒は入りきれないからだ

『……参加したかった…』

高｢Aちゃんが卒業式に出たら泣いてそれどころじゃないでしょw｣

緑｢予行練習を見ただけで泣くぐらいだからな｣

『馬鹿にしやがって…！2人だって絶対泣くくせに！！』

今は体育館の外で先輩達が出てくるのを待っているところだ
3月とはいえ、まだ冷え込む
体育館の中はもっと冷え込んでいるだろうな…

するとピアノの伴奏が聴こえてきた
【仰げば尊し】だ

私はこの歌が苦手だ
別ればかりを惜しむこの歌が……
先輩達にこの歌は似合わない

周りの人が口ずさむ声が聞こえる

仰げば尊しが終わった

高｢そういえば真ちゃん、伴奏頼まれてなかった？｣

『え、そうなの？』

緑｢…あぁ、だが断ったのだよ｣

高｢真ちゃんが弾けないような曲あったの？｣

緑｢……弾けないと、思った｣

緑間くんの顔を見てすぐに分かった
緑間くんも寂しいんだ、先輩達を前にして最後まで弾ききれる自信がないんだ…

緑間くんには少し悪いけど私は嬉しかった
自分1人で戦っていたあの緑間くんが、今では秀徳というチームが大好きになっていたから
多分それを本人に言っても否定するんだろうけど


すると次の伴奏が聴こえてきた
【旅立ちの日に】だ…

誰もが知ってる曲に目の奥が熱くなる
1番が終わり、2番に入った

"意味もないいさかいに泣いたあの時〜♪"


『心通った〜嬉しさに抱き合った日よ〜…』

私が伴奏に合わせて歌うと2人は驚いて私を見つめる

『みんな過ぎたけれど 思い出強く抱いて〜…』

高｢勇気を翼にこーめてー希望の風にのりー｣

緑｢この広い大空に〜夢を〜託して〜｣

『！』

まさか2人が歌うとは思わず驚いて2人を見上げる

"今別れのときー飛び立とう未来信じてー"

すると周りにいたバスケ部1年も同じように歌い始めた
他の人たちは一体何事だと言わんばかりに私たちを見る
体育館の中にいる人達に聴こえているんだろうか

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