7個目 ページ8
赤司くんの声が体育館に響くと一斉に片付けが始まった。
いやチョコ食べ始めたところなのに!仕方なく私は邪魔にならないように体育館の隅っこへと逃げた。
紫「ねぇ」
『ん?』
頭上から声が聞こえ振り向くとお菓子をねだってきた巨人が立っていた。
その顔はもうしょんぼりして居た堪れないレベル。
紫「お願い、お菓子ちょーだい」
『どんだけ我慢できないんだ』
まぁ、あれだけのハードトレーニングの後ならお腹もすくか。
めっちゃ葛藤したよ。命の次に大切なチョコを他人に分け与えるなんて……
『手出して』
紫「え、なんて?」
『手出してって言ったの!』
相手の手首を掴んでその手の平にチョコを叩きつけた。
まだ1個しか食べてないのに!
『今度お菓子奢ってよね!!』
紫「ありがと〜Aちん、俺お菓子の恩は絶対忘れないから」
『絶対だからね!忘れたら地の果てまで追いかけてやる!』
チョコを失った喪失感に襲われ、お姉ちゃんの所に走って抱きついた。
『お姉ちゃん私偉くない!?』
「おっと、よしよし♪A偉いね〜」
私とあの巨人のやり取りを見ていたのか何も言わなくてもすぐ理解したみたいだった。
青「大袈裟すぎんだろ」
『お黙り!』
黄「まぁまぁ、帰りにコンビニ寄ればいいじゃないっスか!」
『んー…まぁ、それもそっか』
言われてみればそうですぐに機嫌が治り、もう既に何を買おうかなーなんて考えていた。
「A、もうすぐで終わるから外で待ってて?」
『ん、おっけー』
という訳で体育館の外でお姉ちゃんを待つことにした。
数十分後、制服に着替えたバスケ部の人達。そして最後にカラフル集団とお姉ちゃんが出てきた。
結構待ったぞ??お?
「お待たせA!」
『めっちゃ待った。よしっ、帰ろー』
お姉ちゃん達と合流し帰路へとついた。
『あ、そういえば、君もう大丈夫なの?』
黒「…えっ、あぁ、はい、もう大丈夫です。ご心配かけてすみません」
『いやいやー、こちらこそ何も出来なくてごめんね?』
青「お前テツの事見えんのか?」
『…えっ』
肌黒い人の言葉に思わずテツという人物を見た。
え、なに、どゆこと?幽霊?みんな話してたよね?
私は1人混乱していた。
黒「青峰くん、それは言い方が悪いです」
青「あ?」
緑「その言い方だと黒子が普通の人には見えないと言っているようなものなのだよ」
『これが本物の幽霊部員…?』
何か上手いこと言えた気がする。
黒「上手くないです」
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時